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ゲーム系ニ次創作です
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↓チカダテです。
 チカはいい男です………うん。

「とんだblag野郎だな」
 大口を叩いているのは、政宗も同じ事。仰向けに倒れた元親の胸に足を掛けてはいるが、息が上がって肩が激しく上下している。
「とどめ……刺さねーのかよ」
 満身創痍、元親声を出すのも苦しいが、減らず口は納まらないようだ。
 本来は海賊のような元親、海の男である。それが、伊達にお宝の匂いがあると、こんな山奥の戦場に赴いて………お宝は、あるにはあったが、持帰れるようなものでもなかったし、今そのお宝に足蹴にされているのだ。
 独眼竜。竜は自身が宝と言って憚らない。……元親も、政宗を見た瞬間に惹き付けられた。
 ……腕っぷしは強ぇし…可愛げの欠片もない男だが………元親、政宗の隻眼に魅入られた。六本の刀を爪のように扱って、どこか異国の踊りのように舞う政宗から目が離せなかった。
「はぁ?散々人を口説いて、proposeまでしておいて俺から逃げられると思ってんのか?」
「…ぷろぽーず?」
「婚姻の申し込みだよ」
 見下ろす隻眼がにやりと笑った。
「ば……誰が男と所帯を持つか」
「俺を船に乗せたいんじゃねーのかよ」
 ひやりとした刀の峰が、元親の頬を撫でる。…返答によっては、このまま首を掻き斬られるのだろう。一度は死ぬ覚悟は決めたが……婚姻云々は別にしても、政宗と船に乗るのは、考えただけで胸が踊った。破天荒な奥州王と行き先も決めずに船出するのは、きっと素晴らしく素敵な旅になる。
「いいねぇ……独眼竜と船旅は……」
 笑おうと思ったが、思っていた以上に元親の傷は深手なようだった。首ががくりと落ちて、力なく地面に横たわった。
「おう!小十郎!こいつ、家に運んどきな!」
 久々に、面白い玩具を拾ったような政宗の顔に、小十郎眉を顰めた。
「なんだ?jealousyか?珍しいねぇ……」
 からかうように言う政宗だが、小十郎の真意は解っている。
「…差し出がましいようですが……この者は、いつもの遊び相手とは…」
 ひゅ、と小十郎の目の前に三本の煌めき。小十郎黙った。
「……No advise……差し出がましいと思うなら……黙ってな」
「はっ……」
 小十郎、その場に片膝を突いて頭を下げた。政宗は伊達の当主である。もう、子供でもない。小十郎が子供扱いに諌められる相手ではないが……政宗の眼にある色が不安にさせる。惚れ込んで入れ揚げて……壊してしまうのだ、政宗は。相手が、壊れてしまうまで確かめなければいられない。自分を愛しているか、自分を裏切らないか………自分を疎ましく思わないか………過去が政宗を臆病にさせているのだが、政宗の容姿に惹かれて靡いた者は、政宗の苛烈な愛情に堪えられない。
 そして……壊れた玩具を見て苦しむのは政宗なのだ。一時、興趣をそそられて、手に入れた者でもその有り様なのだ、初めから本気になるのが解っている相手であれば、小十郎放っては置けない。
「…解りました……お連れしましょう……」

 小十郎には解っている。誰も政宗の孤独は癒せない。……否、癒させないのだ。政宗の矜持が、好いた相手にも縋らせない。
 ……俺は…筆頭の悲しい顔を見るのが辛い………
 そして、これも政宗には言えないのだ。
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