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ゲーム系ニ次創作です
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↓マサケイです。
 爪子さんの慶示板に投稿した物です。
 余所のお宅で連載…←だめですよ……orz……

 ぴょうろう…と甲高い鳥の声がする。
 血臭をまき散らす獲物を見つけて、仲間を呼んでいるのだろうか。頭上を猛禽の類いが輪を描いて飛んでいる。

 冬の頼りない日射しではあるが、空には雲一つない。
 ---ああ、こんないい天気に---寝そべった顔が見上げるのは、薄青い空。
「Bull sit!」
 口汚く言えば、脇腹が痛んだ。
 政宗にしては珍しい怪我だった。油断としか思えなかった。相手があまりのも華奢な体つきをしていたから、相手が馬鹿馬鹿しい帽子を冠っていたから……相手が…毛利元就が、緑色の妖精のようにひらひらと変型刀を操るから、政宗間合いを間違えた。
 そして、自分の部下も打ち据えながら突き進む元就がわからない。政宗にとっては、伊達の家臣は家族も同然。庇うかも知れないが、自分で傷つけようとは思わない。
 自分でも思いのほか熱くなっていた政宗、元就を深追いし過ぎた。
 おかしな城門に隠れた弓兵、鉄砲兵の的になり、応戦する中で元就の得物に腹を裂かれた。近くにいた馬に飛び乗り、なんとかその場は逃れたが、手綱を持つのもままならず、落馬したのはどことも知れない山中だった。
 ---worst……血が止まらねぇ----傷口を押さえた手がぬるぬると新しい血に濡らされる。
「奥州筆頭も……こんなlastじゃ……締まらねぇな………」
 憎まれ口を続けているのは……恐いからだ。病で目を失った時も、数々の修羅場も政宗は独りでは無かった。共に泣いてくれた家臣、共に戦ってくれた家臣……
「こんなに…汚しちゃ……小十郎に大目玉だな……meddlesome guyめ……」
 出血の多さと、恐怖が政宗を小刻みに震わせている。
「すまねぇな……小十郎……おめぇの最期は看取ってやれねぇな……」
 もう、唇も小さく震えだした。
 ---死ぬってのは……案外easyな事だぜ……---
 瞼が重くなって来た。だが、政宗目を閉じる事は出来ない。人の命も奪って来た政宗だが、自分の死は初めての事。目を閉じて訪れる世界が恐い。。
「…ん?……」
 必死に目を開いていようとする隻眼に、小さな毛玉が飛び込んで来た。
「キ…キキ……」
 気付かわしげに見えるのは人間の思い込みか、小猿が政宗の顔を覗き込んでいる。
「はは……cuteだぜ?まさか……monkey angelに看取られるとはな……はっ…ごふっ!」
 笑ったせいか、喉が苦しくなった。
 ---俺のheaven's gateはmonkeyがarchangelだとは…お笑いだぜ……---
「小十郎にも……見せてやりてぇ……」
 独りごちる政宗に、小猿は相変わらず心配そうな顔を向けている。
「……桜か……こんな真冬に桜たぁ……俺も傾いてるねぇ………」
 政宗の頬に、小さな桜の花びらが舞落ちる。例えここが九州だとしても、流石に桜は無いだろう。
「…九州でもねぇしな……」
 ---ああ、綺麗だ……---意識が遠くなりそうな政宗の耳に、のんびりとした呼び声が聞こえる。
「ゆ〜め〜き〜ち〜〜〜どこ行ったんだよ〜」
 どこか子供げな気配を残す甘い声。
「おまえ、夢吉ってのか……?お前の連れもangelか?」
 木立の下生えを掻き分けて、声の主が近付いて来る。
 ---cherry blossoms angel………---
 がさりと、草を掻き分けて来たのは、桜の花びらを纏った男。……男と言うのは違うかも知れない。体躯を見れば男だが、桃の頬も、炯々と輝く瞳も、政宗が今までに会った事のある人間の誰とも違っていた。
「……realなangelのお出ましか……?」
 羽こそ生えてはいないが、その男が桜の花びらを振りまいているのだ。
「あっ!おい!あんた!」
 血だ、血だと大騒ぎするその男に、政宗遠のいた意識が戻って来た。
「すっげぇ血が出てるよ!!」
 慌てて自分の身体に巻き付いた飾り紐を解いている男に、政宗頬が弛んだ。
「…domesticなangelだぜ……でも……so,lovely……」
 大男相手に可愛いとほざいて、政宗気を失った。
「あっ!ちょっ!死ぬなよぉ!」
 政宗の出血する腹に紐を結んで止血しながら叫ぶのは、稀代の傾奇者、前田慶次。相棒の小猿を探して来た先で、手負いの竜を拾ってしまった。
「……あ〜あ……生き物拾うとまつ姉ちゃんに怒らるんだけど………」
 止血の済んだ身体をそっと担ぎ上げる。浅く早い鼓動が伝わるのが慶次を怯えさせているが……まだ、この竜は生きている。
「夢吉、おいで」
 細心の注意を払って傷付いた男を運ぶ。
「こいつ……えんじぇるとか言ってたよな?……それって、どんな食い物だろ」
 桜吹雪を纏う慶次、自分が天使と言われたのに気付くのは、もう少し後の事。
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