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ゲーム系ニ次創作です
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↓マサケイです。
 爪子さんの慶示板に投稿した物です。



 慶次に運び込まれて三日目に重湯を食べられてからの政宗の回復は驚異的なものだった。
「…あんたさぁ……人間?」
 十日目には一人で歩き回る政宗に、慶次呆れた。自分も人並みはずれて丈夫に出来ているとは思っていたが、あの傷を思うとこの回復は人とは思えなかった。
「人じゃねーかもな。俺はdragonだからな」
「どら…何?」
 ぽかんと開いた口許で見る慶次に向けた政宗の眼差しは、どこか淋しげだった。
 身体が治ってしまえば、ここを出て行かなければならない。出て行くもなにも、政宗には帰らなければならない所がある。
「なー……名前、教えてくんないのかよ」
 政宗が食事をとれるようになってからは、慶次毎日のように政宗に名前を尋ねている。
「まつ姉ちゃんに言わなければいいんだろ?」
 慶次も犬や猫では無い政宗をずっとここに置いて置けないのは分かっている。だから、名前を聞いておきたかった。思い出す為には、名前があった方がいいに決まっている。
「darin’……darin’って呼べよ」
 あまりしつこく言う慶次に、政宗がにやりと口の端を上げて言った。
「だーりん?それ名前?」
 小首を傾げた様が可愛らしくて、政宗思わずその唇に触れてしまった。
「?!」
 掠めただけの口付けに、慶次の頬が真っ赤になった。
「なっ!何すんだよ!」
「はぁ?挨拶だよ。kissは挨拶。俺の国じゃそうなんだよ」
 そんな事はない。流石に政宗の国でもそんな事はしない。だが、この気持ちは……きっとこの男には解らない。
「仲良くなったら、逢う度にするんだよ。you,see?」
 大真面目な顔をする政宗に、そんな風習の国もあるのかと首を傾げている慶次だったが……真っ赤になった頬はそのままだった。
「ダーリンの国って変わってんのな」
 律儀に政宗を『darin'』と呼ぶ、子供のように素直な男。
「まだ、傷がいてぇからやらねーけど、ぎゅーって抱きついて、kissすんだよ」
「え…ええええ!?」
 慶次これ以上は無いと言うほど真っ赤になって後退った。
「…俺の所じゃ……そういうのはさぁ……ほら……その……惚れあってるとか…そういうのしかしないんだよ?」
 政宗から身を離した慶次のまわりに花びらが舞っている。
「へー、変わってるな」
 やはり大真面目な政宗の顔に、自分ばかりが照れくさくなっているのが慶次悔しくなった。
「じゃぁ、止めとくか?」
 馬鹿にしたような政宗に鼻で笑われて、慶次増々悔しい。
「止めない!」
 大声で言うと、慶次の手が政宗の襟元を掴んだ。

 ごつん   

 音にしたら、そんな感じ。それが慶次が政宗にした初めてのキス。
「ぜ〜んぜん平気!」
 胸を張って見せる慶次。政宗、笑い出してしまうかと思ったが……自分の頬がひどく熱いのに驚いて声も出ない。
「夢吉」
 肩に乗せた小猿にも口付ける慶次を見ながら、政宗の頬が弛んだ。
 ----こんなとこ……小十郎が見たら……----こんなお子さまなキスに頬を染めている政宗は、伊達の者には想像も出来ないに違い無い。
 ---仕方ねーよな……ここはheavenなんだから………----
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