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ゲーム系ニ次創作です
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↓以前、他所の掲示板に投稿していたコジュケイです。BASARA2がベースになってます。

 もう、一斗樽が空くほどの酒を飲んでいたと思う。
 小十郎の屋敷に現われた慶次が背負って来た酒樽は、ほとんど二人で空にしてしまった。
 顔色も変わらない小十郎の胡座の上に、桜色の髪が流れている。小十郎の膝枕でご満悦の慶次、酔い潰れてはいないが、頬は花の色に染まって、常以上に舌足らずに話している。
「ねぇ………痛かった…?」
 慶次の大きいが形の良い手が、小十郎の左の頬に走る瑕をなぞった。
 さらりとした指先の感触がこそばゆいのだが、小十郎されるのに委せた。
「痛ぇも痛くねぇもなかったな……」
「どうして…?」
「自分の身を斬られるのは…なんとも思った事ぁねぇな」
 慶次の指が、小十郎の頬の上で止まった。
 ……小十郎にとっては政宗を傷つけられる事の方が痛いのだ……。
「政宗に瑕が無くて良かったね」
 少し淋しい。小十郎にとって『筆頭』は絶対の存在。……わかってるもん……でも、淋しい。でも、口惜しい。
 思わずに…慶次、棘のある声を出した。
 小十郎の目が、慶次の菫色と交わって……訝しげに細められた。
 ………筆頭に瑕が無い…?……
 じっくりとは見た事のない小十郎でさえ、政宗の身体に残る戦の痕は知っている。……それに…政宗の身体には無数の疱瘡の痕がある。幼い頃の病ではあったが、恐ろしい病魔は政宗に蹂躙の証を残した。空っぽの右目……無数の瘢痕………。慶次は、政宗と閨を共にしているのでは無いのか……?小十郎の目が、慶次の赤い頬を見つめる。いくら何でも、常に灯りを付けずに真っ暗闇で事に及ぶ訳ではあるまい………
「筆頭の身体を見たことがないのか……?」
 慶次の目が、ぱちぱちとせわしなく瞬いた。
「ん?なんで?見た事ないよ」
 屈託ない慶次の答え。
「お前は筆頭の屋敷に泊まっているだろう…?」
「だって……だってさ……小十郎さん泊めてくんないだもん。今日だって、政宗にお客がいるって言われたから………ほんとは、俺がいるの嫌…?迷惑……?」
 いつものように、ふらりと現われた慶次。今日は政宗の所には『鬼が島の客人』が来ているので、投宿を拒まれたのだ。幾らも座敷はあるものだが……『鬼が島の客人』は政宗の訳ありらしい。……情人同士の鉢合わせを嫌ったのかと、小十郎思っていたが………
「それじゃぁ………」
 小十郎の目に、慶次のニの腕が白い。
「筆頭とは……何もないのか……?」
 尋ねた小十郎の頬で、慶次の掌が鳴った。
「小十郎さんの大事な『筆頭』と俺は何もないよ!」
 酔った足取りの慶次が立ち上がった。
「俺が政宗の恋人と思って……だから…だから…側に置いてくれたの…?小十郎さん……俺が……」
 悲しくなった。小十郎の目には、やはり政宗しか無いのか……自分にも打ち解けて接してくれたのは、政宗の愛人だと思ったいたから…………
「俺は……小十郎さんに逢いに来てたのに……小十郎さんに逢いたかったからなのに………」
 慶次の大きな目から、ぽろぽろと涙が零れている。
「小十郎さんが…好き、なのにぃ………」
 子供のように拳で目許を擦っている慶次。声にこもる思いがいじらしい……。
 小十郎、立ち上がると有無を言わさず慶次の肩を抱き締めた。
「すまねぇ……」
「やだっ!やだよ!謝っちゃやだよぅ……」
 むずかる子供のように身体を揺する慶次、小十郎が詫びるのが怖い。……断わられるのは解っていた……小十郎には、大事な政宗がいるのだから……
「お前は…筆頭のモノなんだと……俺は、端から諦めて……」
 ちゃんと、お前を見る事が出来なかった………。慶次の耳に直に零された小十郎の声。
「小十郎さん……好き……好きぃ………」
 慶次の腕が、小十郎の背に縋る。
 見つめる菫色がそっと伏せられて、伏せた瞼に誘われるように小十郎口付けた。
 柔らかい唇を割って、小十郎の舌先が慶次の舌を搦め取る。酒臭いのはお互い様、必死に小十郎の舌に応える慶次。小十郎の腕の中で、普段から体温の高い慶次の身体が熱を帯びる。
「…ふぅ……んんっ…」
 息苦しいのか…それとも、背を震わせる快美なのか、慶次の鼻から可愛らしい息が漏れた。
 膝から力の抜けた慶次の身体を横たえて、見おろした小十郎の目に浮かぶ欲情……。慶次の頬に残る涙を拭った指先が、首筋を伝って、襟元に分け入る。
「…んんっ……」
 胸肌を撫でられ、慶次、小十郎から目が離せない。……小十郎の触れる手は心地いい、口付けは身体中の力が抜けてしまうほどの快をもたらした……次は…自分はどうなってしまうのだろう……衣の下の肌を暴かれるのは……どんな思いがするのだろう………恋に憧れはあってっも、習いはない慶次、脅えなのか期待なのか……震える唇からは小さな喘ぎ音しか漏らす事が出来ない……
 帯を解かれ、襦袢をはだけた胸元に、小十郎の息がかかる。
「あぅっ……ん!」
 滑らかな胸にぽつりと立ち上がった乳首に、小十郎の唇が触れる。むず痒いような、疼痛のような……腰を捩らずには堪えられない感覚が慶次を包む。そこから、小十郎の頭を退かせたいのだが、慶次の腕に抗う為の力は無い。
「や…なんか……やぁ……」
 顔が熱くて……慶次の腕が顔を隠すように上げられた。
 顔の上に組んだ手が、小刻みに震えながら小十郎の与える熱を受け止める。
 ……人間じゃねぇみてぇだな………
 慶次の肌を味わう小十郎、こんな肌は知らなかった。美しい女も、瑞々しい少年も、小十郎知ってはいるが、こんな肌は知らなかった。
「ひゃっ……ううーっっ!!」
 指先で慶次の小さな尖りを摘んだまま、小十郎の舌が脇腹を通って腕の付け根に辿り着いた。
 淡く立ちのぼる体臭さえ甘く、小十郎、慶次の脇の舌をねぶる。
「やっ!…ぅあんっ!……やぁ、だめっ!…だめぇ……」
 小十郎の舌から身体を逃そうと身を捩るが、小十郎の腕を解く事は出来ない。尚更に色濃く立ち上がった乳首を強く摘まれ、慶次の足がもじもじと摺り合わせられる。
「こわいよぅ………小十郎さぁん……こわい…こわいよぅ」
 怖いと繰り返す慶次に、身を起こした小十郎、自分の身体の下に引き込んだ慶次を見おろした。
「…おまえ……」
 慶次の襦袢、足の付け根のあたりがぐっしょりと濡れている。指先で触れると、慶次の身体がびくりと跳ねた。
 濡れた指先を自分の鼻に近付ける小十郎に、慶次真っ赤になって顔を手で覆った。
「そんなん…嗅いじゃやだ……」
 小十郎の鼻に、嗅ぎ覚えのある匂い。慶次、増々赤くなって大きな身体を精一杯小さく丸める。
「……おい……」
 手を剥がそうとすると、慶次の頭が小さく振られた。
「…怖いなら…もうしねぇよ」
 小十郎、持て余す熱はあるが……怖いと言われては手出しは出来ない。
「……小十郎さん……」
 身体を引こうとする小十郎の袂を、慶次の手が慌てて掴んだ。手を離した顔は……真っ赤なまま。
 泣いていたせいか、鼻の頭まで真っ赤になった慶次。恥ずかしさからか、小十郎の目を見る事が出来ずに瞳は揺らいで、視線は泳いでいる。……だが、袂を掴んだ手に、きゅっと力をこめた慶次…
「……口は……吸って……」
 ダメ?……と見上げた目は、やはりいじらしくて………
 口付けて……口付けて…何度も、何度も口付けて、慶次が寝息を立てるまで……腕に囲って口付けた小十郎、慶次の寝顔にそっと溜息。

 ………それにしても……この生殺しは…いつまで続くんだ…?……
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