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拍手くださった方、ありがとうございますv
↓チカダテです。
惚気る政宗が書きたかったんです…
↓チカダテです。
惚気る政宗が書きたかったんです…
まだ暫くは艦に乗っていると言う元親だったが、政宗と家康はそんなに家を空ける訳には行かなかった。
「なんだよ。付き合いわりぃな」
家康を送りがてら帰ると言った政宗が梯子を降りようとしている時まで、まだ元親は名残惜しそうにしていた。
「もうちょっといいじゃねぇか」
政宗の胴を引き寄せて肩口に顔を埋めた元親が、甘えたように鼻を鳴らしている。
「またすぐ来るんだろ?」
家康の目が釘付けになってしまう政宗の指が、元親の顎を撫で頬を包み込んだ。
「あんた…独眼竜のdarlin'なんだろ?」
政宗の目が細められたのを見て、家康の胸が痛んだ。その微笑が柔らかければ柔らかいほど…、政宗の気持ちがわかるのだ。元親への思いが伝わるのだ。
そっと政宗が元親に口付けるのを見ている事も出来ず、家康が梯子を降り始めた。
……ワシにはやらねばならん事がある……。
言い聞かせてみるが、自分の胸の内は自分が一番よく知っている。
一目惚れだったのだろう。
だが、家康が恋に落ちた政宗は…、元親の為に政宗なのだ。誰にでも、あの笑みが無防備に晒される事は無いはずだった。
艦から降りた家康が待っていると、政宗が梯子を降りてきた。艫に手をかけて見ている元親。名残惜しそうではあるが、政宗が帰ると言えばそれ以上は引き止めない。
「政宗」
梯子の最後を降りる政宗に、思わず家康が手を差し出した。
「jentleだな。俺はladyじゃねーけどな」
にやりと笑って政宗が梯子を飛び降りた。
差し出した手のやり場に困った家康が顔を赤らめると、政宗がその額をぽんと叩いた。
「おら、帰るぜ」
艦を振り返って、元親を見上げた政宗の横顔が逆光に眩しい。
家康の目がその横顔をじっと見詰めているが、政宗が気付いた素振りもない。
ここにいるのは、元親の為に政宗なのだ。戦場を駆ける独眼竜ではない。
緩やかな足取りで馬を駆ける政宗と家康。ずっと、政宗の背を見詰めていた家康だったが、馬の歩調を速めて政宗の横に並んだ。
「ワシが元親に勝ったら…、ワシが天下を取ったらどうする、独眼竜」
一瞬、政宗が呆気に取られたような顔をして家康を見た。政宗も驚いているが…、家康自身が一番驚いていた。政宗への気持ちはあったが、告げるつもりも無かったのだ。だが、自分の前を行く背を見詰めているうちに、このまま別れてしまうのかと思うと、言わずにはいられなくなった。
「ワシがこの国を治めることになったら…」
誰よりも強くなったら……、この綺麗な一つ目は自分を見るだろうか……。
「…変らねーな。今のまま、俺はたまに元親の艦に乗る」
「…そんなに、あいつに惚れてるのか……」
萎んだ家康の顔を見て、政宗がにやりと笑った。
「だってよ、…あの馬鹿、俺にmornning starをくれたんだぜ?もしも、あの野郎が死んじまっても、俺は毎朝東の空にengagement ringを見るんだぜ?」
可笑しそうに笑う政宗の顔は、やはり目を奪われてしまうものだった。仮令、それが自分の為のものでは無くても……。
「そんなすげぇproposeする奴は他にいねーだろ?」
政宗が馬の腹を軽く蹴って脚を速めた。
「本多忠勝が迎えに来てるらしいぜ。うちの野郎共が大喜びしてるって言ってきたぜ」
忠勝の名に、家康も呆けたようになっていた頭が戻ってきた。…何を置いても、自分を支える家臣達を蔑ろには出来ない。そして、家康にそんな事は出来ないのだ。自分は人質として不自由を味わおうとも、家臣を差し置いて為すべき事は無い家康だった。だからこそ、戦国最強とも言われる本多忠勝ほどの者が家康を慕い従うのだ。
「なぁ、うちの小十郎と本多忠勝で試合やらせてみるってのはどうだい?practice game程度にさ」
「忠勝を相手に肩慣らしなんて通用しねぇからな」
胸を叩いて見せた家康の肩を、ぽん、と一つ打って政宗が馬の腹を蹴った。
「そうじゃなきゃ、boringだぜ。まずは、俺とあんたで駆け比べだ!…ha!!」
一瞬棹立ちになった政宗の馬が砂塵を巻き上げて駆け出した。
「あっ!汚ねぇぞ!」
悪態を吐きながら、家康も馬の腹を蹴った。
目の前を遠ざかって行く政宗の背中。
…いつまでも、追いつく事は出来ないのかも知れないと思いながら……、家康は馬を急かせるしかなかった。
「なんだよ。付き合いわりぃな」
家康を送りがてら帰ると言った政宗が梯子を降りようとしている時まで、まだ元親は名残惜しそうにしていた。
「もうちょっといいじゃねぇか」
政宗の胴を引き寄せて肩口に顔を埋めた元親が、甘えたように鼻を鳴らしている。
「またすぐ来るんだろ?」
家康の目が釘付けになってしまう政宗の指が、元親の顎を撫で頬を包み込んだ。
「あんた…独眼竜のdarlin'なんだろ?」
政宗の目が細められたのを見て、家康の胸が痛んだ。その微笑が柔らかければ柔らかいほど…、政宗の気持ちがわかるのだ。元親への思いが伝わるのだ。
そっと政宗が元親に口付けるのを見ている事も出来ず、家康が梯子を降り始めた。
……ワシにはやらねばならん事がある……。
言い聞かせてみるが、自分の胸の内は自分が一番よく知っている。
一目惚れだったのだろう。
だが、家康が恋に落ちた政宗は…、元親の為に政宗なのだ。誰にでも、あの笑みが無防備に晒される事は無いはずだった。
艦から降りた家康が待っていると、政宗が梯子を降りてきた。艫に手をかけて見ている元親。名残惜しそうではあるが、政宗が帰ると言えばそれ以上は引き止めない。
「政宗」
梯子の最後を降りる政宗に、思わず家康が手を差し出した。
「jentleだな。俺はladyじゃねーけどな」
にやりと笑って政宗が梯子を飛び降りた。
差し出した手のやり場に困った家康が顔を赤らめると、政宗がその額をぽんと叩いた。
「おら、帰るぜ」
艦を振り返って、元親を見上げた政宗の横顔が逆光に眩しい。
家康の目がその横顔をじっと見詰めているが、政宗が気付いた素振りもない。
ここにいるのは、元親の為に政宗なのだ。戦場を駆ける独眼竜ではない。
緩やかな足取りで馬を駆ける政宗と家康。ずっと、政宗の背を見詰めていた家康だったが、馬の歩調を速めて政宗の横に並んだ。
「ワシが元親に勝ったら…、ワシが天下を取ったらどうする、独眼竜」
一瞬、政宗が呆気に取られたような顔をして家康を見た。政宗も驚いているが…、家康自身が一番驚いていた。政宗への気持ちはあったが、告げるつもりも無かったのだ。だが、自分の前を行く背を見詰めているうちに、このまま別れてしまうのかと思うと、言わずにはいられなくなった。
「ワシがこの国を治めることになったら…」
誰よりも強くなったら……、この綺麗な一つ目は自分を見るだろうか……。
「…変らねーな。今のまま、俺はたまに元親の艦に乗る」
「…そんなに、あいつに惚れてるのか……」
萎んだ家康の顔を見て、政宗がにやりと笑った。
「だってよ、…あの馬鹿、俺にmornning starをくれたんだぜ?もしも、あの野郎が死んじまっても、俺は毎朝東の空にengagement ringを見るんだぜ?」
可笑しそうに笑う政宗の顔は、やはり目を奪われてしまうものだった。仮令、それが自分の為のものでは無くても……。
「そんなすげぇproposeする奴は他にいねーだろ?」
政宗が馬の腹を軽く蹴って脚を速めた。
「本多忠勝が迎えに来てるらしいぜ。うちの野郎共が大喜びしてるって言ってきたぜ」
忠勝の名に、家康も呆けたようになっていた頭が戻ってきた。…何を置いても、自分を支える家臣達を蔑ろには出来ない。そして、家康にそんな事は出来ないのだ。自分は人質として不自由を味わおうとも、家臣を差し置いて為すべき事は無い家康だった。だからこそ、戦国最強とも言われる本多忠勝ほどの者が家康を慕い従うのだ。
「なぁ、うちの小十郎と本多忠勝で試合やらせてみるってのはどうだい?practice game程度にさ」
「忠勝を相手に肩慣らしなんて通用しねぇからな」
胸を叩いて見せた家康の肩を、ぽん、と一つ打って政宗が馬の腹を蹴った。
「そうじゃなきゃ、boringだぜ。まずは、俺とあんたで駆け比べだ!…ha!!」
一瞬棹立ちになった政宗の馬が砂塵を巻き上げて駆け出した。
「あっ!汚ねぇぞ!」
悪態を吐きながら、家康も馬の腹を蹴った。
目の前を遠ざかって行く政宗の背中。
…いつまでも、追いつく事は出来ないのかも知れないと思いながら……、家康は馬を急かせるしかなかった。
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