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拍手下さった方、ありがとうございます!
↓チカダテです。
チカ……かっこいいかも………
↓チカダテです。
チカ……かっこいいかも………
なし崩しのように、元親は伊達にくだった。
城から出るには見張りの者が付いたが、城内は好きに動けるようになった。
「政宗」
小十郎はいい顔をしなかったが、政宗の居室にも自由に出入りしている。
「…船の様子を見に行かないか?」
夜はこの二人、褥を共にしている。……元親の手は括られたままだが……。
元親の寝間を訪れる政宗は、緋色の縮緬の襦袢を必ず纏っていた。それは、どれほど政宗が霰も無い声を上げる時も、決してはだける事は無かった。
「今日は手が離せねぇから……小十郎を連れて行くか?」
地図を睨んでいた政宗、元親に目を移した。
竜と見えた政宗は、妖しく香る花だった。
元親、自分でも信じられないほど政宗に溺れている。
「いや……あんたと行けねぇならいい」
元親の返事に、政宗が目を細めた。
「可愛い事言うじゃねーか」
政宗の手が元親を手招きする。
側に寄った元親、政宗に引寄せられた。胸に頭を抱えられると……政宗の不思議な体臭が元親の鼻をくすぐった。
「明日は手が空くから、明日、一緒に行こうぜ」
額を付けて猫のように擦り付ける。
元親の手を解いてからは、政宗の様子も変わった。仲の良い友のように、情人のように……だが、閨での政宗は変わらなかった。自分の上に乗って乱れる政宗を見せつけられて……指一本触れる事は許されない。そして、まだ熱も引かない身体のまま、政宗は自分の寝間に戻って行く。一度、政宗が戻ってからしばらくして政宗の寝間を訪れた事があったが、襖の前に布団を敷いた小十郎の姿にすごすごと戻った事があった。
……政宗がそれほど嫌なら、肌に触れる事も、身体を見る事もしなくても構わないかと思った時もあった。
だが、身体の熱とは裏腹に淋しげな瞳で交わる政宗を抱き締めたかった。溶け合うほどに肌を合わせたかった。
「ああ、約束だぜ」
元親、政宗の肩を抱き寄せて唇を重ねた。
広い肩幅から削いだように縊れた腰に手を滑らせて、政宗の身体を膝に抱き上げる。
きっちりと着物を着込んだ政宗は、こうして元親に身を預ける。
翌日は約束通りに政宗朝から予定を開けておいた。
二人だけで馬を駆り、元親の艦繋いだ港を目指す。
「俺の艦は速いぜぇ。馬に乗るのなんかつまらなくなっちまうぜ」
まだ、遠目だが艦が小さく見えると、元親ガキ大将のような顔で笑った。
「big mouthめ」
人の自慢を聞くのは嫌いな政宗だが、自分の艦の説明をする元親に目を細めた。
「ああ?」
急に馬の速度を落した元親、空を見上げた。
「こりゃ……季節外れだぜ」
俄に黒雲に空は覆われ、遠くで地鳴りのような雷鳴がしている。
「急ぐぜ」
城に戻るよりは、艦に向かった方が近いと元親馬の腹を蹴った。
政宗もそれに合わせて馬を急かせる。
大きな艦は近くにも見えたが、辿り着くまでに雨足が強くなり、二人とも濡れ鼠になった。
元親に手を引かれて、垣立の内、船尾の櫓に入ってやっと雨と雷から逃れた。
「今、火を熾すから着替えを……」
元親が行李を探って火打ちを出しながら言うと、政宗が首を振った。
「政宗……」
「…I am sure………」
雨に濡れた髪が政宗の顔に張り付いて、蒼白になった顔を隠しているが……唇の震えは寒さだけでは無さそうだった。
「……」
元親、それ以上は勧めずに手炙りに火を熾した。
木っ端の燃える匂いが立ち篭めると、元親がまた行李を探って牡丹色の袷を見つけだした。
「ほら……」
政宗に渡そうとするが、政宗は黙って俯いているだけだ。
自信に充ちた竜の顔では無い………。
どこが痛むのか……痛みを堪えるような政宗の顔に耐え切れず、元親袷を置いて甲板に出た。
「…着替えおわったら呼べよ」
政宗は小さく頷いたように見えたが……元親、降りしきる甲板に一人出た。
……なんで…なんで、あんな目をすんだよ…………
城から出るには見張りの者が付いたが、城内は好きに動けるようになった。
「政宗」
小十郎はいい顔をしなかったが、政宗の居室にも自由に出入りしている。
「…船の様子を見に行かないか?」
夜はこの二人、褥を共にしている。……元親の手は括られたままだが……。
元親の寝間を訪れる政宗は、緋色の縮緬の襦袢を必ず纏っていた。それは、どれほど政宗が霰も無い声を上げる時も、決してはだける事は無かった。
「今日は手が離せねぇから……小十郎を連れて行くか?」
地図を睨んでいた政宗、元親に目を移した。
竜と見えた政宗は、妖しく香る花だった。
元親、自分でも信じられないほど政宗に溺れている。
「いや……あんたと行けねぇならいい」
元親の返事に、政宗が目を細めた。
「可愛い事言うじゃねーか」
政宗の手が元親を手招きする。
側に寄った元親、政宗に引寄せられた。胸に頭を抱えられると……政宗の不思議な体臭が元親の鼻をくすぐった。
「明日は手が空くから、明日、一緒に行こうぜ」
額を付けて猫のように擦り付ける。
元親の手を解いてからは、政宗の様子も変わった。仲の良い友のように、情人のように……だが、閨での政宗は変わらなかった。自分の上に乗って乱れる政宗を見せつけられて……指一本触れる事は許されない。そして、まだ熱も引かない身体のまま、政宗は自分の寝間に戻って行く。一度、政宗が戻ってからしばらくして政宗の寝間を訪れた事があったが、襖の前に布団を敷いた小十郎の姿にすごすごと戻った事があった。
……政宗がそれほど嫌なら、肌に触れる事も、身体を見る事もしなくても構わないかと思った時もあった。
だが、身体の熱とは裏腹に淋しげな瞳で交わる政宗を抱き締めたかった。溶け合うほどに肌を合わせたかった。
「ああ、約束だぜ」
元親、政宗の肩を抱き寄せて唇を重ねた。
広い肩幅から削いだように縊れた腰に手を滑らせて、政宗の身体を膝に抱き上げる。
きっちりと着物を着込んだ政宗は、こうして元親に身を預ける。
翌日は約束通りに政宗朝から予定を開けておいた。
二人だけで馬を駆り、元親の艦繋いだ港を目指す。
「俺の艦は速いぜぇ。馬に乗るのなんかつまらなくなっちまうぜ」
まだ、遠目だが艦が小さく見えると、元親ガキ大将のような顔で笑った。
「big mouthめ」
人の自慢を聞くのは嫌いな政宗だが、自分の艦の説明をする元親に目を細めた。
「ああ?」
急に馬の速度を落した元親、空を見上げた。
「こりゃ……季節外れだぜ」
俄に黒雲に空は覆われ、遠くで地鳴りのような雷鳴がしている。
「急ぐぜ」
城に戻るよりは、艦に向かった方が近いと元親馬の腹を蹴った。
政宗もそれに合わせて馬を急かせる。
大きな艦は近くにも見えたが、辿り着くまでに雨足が強くなり、二人とも濡れ鼠になった。
元親に手を引かれて、垣立の内、船尾の櫓に入ってやっと雨と雷から逃れた。
「今、火を熾すから着替えを……」
元親が行李を探って火打ちを出しながら言うと、政宗が首を振った。
「政宗……」
「…I am sure………」
雨に濡れた髪が政宗の顔に張り付いて、蒼白になった顔を隠しているが……唇の震えは寒さだけでは無さそうだった。
「……」
元親、それ以上は勧めずに手炙りに火を熾した。
木っ端の燃える匂いが立ち篭めると、元親がまた行李を探って牡丹色の袷を見つけだした。
「ほら……」
政宗に渡そうとするが、政宗は黙って俯いているだけだ。
自信に充ちた竜の顔では無い………。
どこが痛むのか……痛みを堪えるような政宗の顔に耐え切れず、元親袷を置いて甲板に出た。
「…着替えおわったら呼べよ」
政宗は小さく頷いたように見えたが……元親、降りしきる甲板に一人出た。
……なんで…なんで、あんな目をすんだよ…………
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