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↓コジュケイです。
子猫餌付け中。
子猫餌付け中。
3時間置きと言うのは、意外に忙しい。2匹の子猫にミルクを上げて、アラームをセットして、ペットボトルの温度を確認して、子猫に排便させて………もう、次のミルクを作る時間になっている。
ミルクと排便のセットを2回こなすと…6時間経っている。慶次慌ててキッチンに駆け込んだ。
「ごめんね!小十郎さん!すぐご飯にするから…」
子猫の世話を自分ですると言った以上、慶次が普段している家事をさぼるわけにはいかない。
…すぐ作れるのって…何があるだろ…?………お料理教室に通って、少しは何か作れるようになってはいるが、急に有り合わせの材料で出来る物は限られている。
冷蔵庫に頭を突っ込んで唸っていると、小十郎が電話の所にある出前メニューを差し出した。
「今日は初日だから……人間は店屋物でいいだろ?」
「小十郎さん…」
猫を飼う事はしぶしぶといった様子だったが、子猫を見過ごして置けないのは小十郎も同じだった。
「小十郎さん!ありがとう!!」
慶次が小十郎の首に抱きついてぴょんぴょん跳ねた。
「ばか、苦しいだろ」
それでも、嬉しそうな慶次に小十郎も頬が弛んでしまう。
「無理はすんな、いいな?」
「…うん…」
さっきまで、子猫の保護者として頑張っていた慶次だが、小十郎の腕があれば…甘えたい。
「明日はちゃんとご飯作るよ。小十郎さんの好きなの、きんぴらと…豚汁と、キンメの煮つけと…お酒も飲んでいいよ」
「…飯より…こっちが喰いたい……」
小十郎の手が慶次の唇を撫でる。
「うん。いっぱい食べて……」
ちゅ、と小さな音を立てて唇が触れ合うと……アラームが鳴りだした。
「あっ!ミルク暖めないと」
小十郎の手をすり抜けて、慶次ポットからほ乳壜にお湯を移す。猫ミルクの新しい缶も空気穴を開けて鍋で湯せんにかける。
「お母さんは親子丼でいいのか?」
ペットボトルにもお湯を入れている慶次に、小十郎が尋ねる。呆れたような顔をしていても、細めた目が慶次を優しく見つめる。
「うん!親子丼、大盛り!」
……俺には…小十郎さんがいてくれる………決して一人きりで生きて来たとは言えない慶次だが、目を見ただけで、指先が触れただけで安心してしまうような相手は小十郎が初めてだった。誰も縛らない、誰にも縛られない……そんな風に暮らしていた慶次が、初めて束縛したいと願って…独占されたいと望んだのは、伊達組若頭の小十郎だった。初めてであった時には、こんなに好きになってしまうとは思わなかったが、今では小十郎のいない頃、どんな風に息をしていたのかも忘れてしまっている。
暖めたミルクをほ乳敏に移して、小さな乳首が二つ付いたゴムのキャップを取り付ける。頬にあてて、ちょっと暖かく感じたら大丈夫。
「お腹空いてるかな…?」
箱の中で眠っている子猫を膝の上に抱き上げる。
「おっぱいだよ〜」
目も開かない小さな子猫の顔がひくひくと鼻を動かして、ほ乳壜を探していたが、2匹が同時に乳首を探し出してジュゥ、と力強く吸いはじめる。
「…名前、つけないとな」
豹柄のラブチェアの後ろに立った小十郎が、慶次の肩越しにチビ達を覗き込んだ。
「うん。小十郎さんどんな名前がいい?」
「俺を名付け親にして、世話を手伝わせる気か?」
「ちがうもん。ちゃんと俺がするもん」
慶次と小十郎が見守る中で、子猫達は前足でほ乳壜を抱えてぎゅうぎゅうと揉むような仕種をしている。突っ張って伸ばされた小さな前足が、必死の様子で開いたり閉じたりしているのがいじらしくて可愛い。
「…ほんとはね、連れて来るまでに決めてたのがあるんだ」
へへ、と笑った慶次も可愛らしい。
「こっちの真っ白な子は『ユキ』で、こっちの点々がある方の子が『ハル』……最初に、ユキは思い付いたんだけど、雪だけじゃ寒そうだから、こっちの子は春」
振返って見た小十郎の顔が、一瞬、何とも言えない表情を作って……微笑んだ。
「いい名前だな」
「うん」
小十郎の一瞬だけ見せた表情は、驚きとも淋しさとも言えるような複雑なものだった。……これも、慶次は尋ねる事が出来なかった。
……だいじょぶ…いつか、聞いてもいいよね…?………
ミルクを飲み終わった子猫達が、仰向けに慶次の膝の上でごろごろと転がった。ぽっこりと膨らんだお腹を見て、小十郎が微笑んだ。
……いつか、教えてくれるんだよね…?………
ミルクと排便のセットを2回こなすと…6時間経っている。慶次慌ててキッチンに駆け込んだ。
「ごめんね!小十郎さん!すぐご飯にするから…」
子猫の世話を自分ですると言った以上、慶次が普段している家事をさぼるわけにはいかない。
…すぐ作れるのって…何があるだろ…?………お料理教室に通って、少しは何か作れるようになってはいるが、急に有り合わせの材料で出来る物は限られている。
冷蔵庫に頭を突っ込んで唸っていると、小十郎が電話の所にある出前メニューを差し出した。
「今日は初日だから……人間は店屋物でいいだろ?」
「小十郎さん…」
猫を飼う事はしぶしぶといった様子だったが、子猫を見過ごして置けないのは小十郎も同じだった。
「小十郎さん!ありがとう!!」
慶次が小十郎の首に抱きついてぴょんぴょん跳ねた。
「ばか、苦しいだろ」
それでも、嬉しそうな慶次に小十郎も頬が弛んでしまう。
「無理はすんな、いいな?」
「…うん…」
さっきまで、子猫の保護者として頑張っていた慶次だが、小十郎の腕があれば…甘えたい。
「明日はちゃんとご飯作るよ。小十郎さんの好きなの、きんぴらと…豚汁と、キンメの煮つけと…お酒も飲んでいいよ」
「…飯より…こっちが喰いたい……」
小十郎の手が慶次の唇を撫でる。
「うん。いっぱい食べて……」
ちゅ、と小さな音を立てて唇が触れ合うと……アラームが鳴りだした。
「あっ!ミルク暖めないと」
小十郎の手をすり抜けて、慶次ポットからほ乳壜にお湯を移す。猫ミルクの新しい缶も空気穴を開けて鍋で湯せんにかける。
「お母さんは親子丼でいいのか?」
ペットボトルにもお湯を入れている慶次に、小十郎が尋ねる。呆れたような顔をしていても、細めた目が慶次を優しく見つめる。
「うん!親子丼、大盛り!」
……俺には…小十郎さんがいてくれる………決して一人きりで生きて来たとは言えない慶次だが、目を見ただけで、指先が触れただけで安心してしまうような相手は小十郎が初めてだった。誰も縛らない、誰にも縛られない……そんな風に暮らしていた慶次が、初めて束縛したいと願って…独占されたいと望んだのは、伊達組若頭の小十郎だった。初めてであった時には、こんなに好きになってしまうとは思わなかったが、今では小十郎のいない頃、どんな風に息をしていたのかも忘れてしまっている。
暖めたミルクをほ乳敏に移して、小さな乳首が二つ付いたゴムのキャップを取り付ける。頬にあてて、ちょっと暖かく感じたら大丈夫。
「お腹空いてるかな…?」
箱の中で眠っている子猫を膝の上に抱き上げる。
「おっぱいだよ〜」
目も開かない小さな子猫の顔がひくひくと鼻を動かして、ほ乳壜を探していたが、2匹が同時に乳首を探し出してジュゥ、と力強く吸いはじめる。
「…名前、つけないとな」
豹柄のラブチェアの後ろに立った小十郎が、慶次の肩越しにチビ達を覗き込んだ。
「うん。小十郎さんどんな名前がいい?」
「俺を名付け親にして、世話を手伝わせる気か?」
「ちがうもん。ちゃんと俺がするもん」
慶次と小十郎が見守る中で、子猫達は前足でほ乳壜を抱えてぎゅうぎゅうと揉むような仕種をしている。突っ張って伸ばされた小さな前足が、必死の様子で開いたり閉じたりしているのがいじらしくて可愛い。
「…ほんとはね、連れて来るまでに決めてたのがあるんだ」
へへ、と笑った慶次も可愛らしい。
「こっちの真っ白な子は『ユキ』で、こっちの点々がある方の子が『ハル』……最初に、ユキは思い付いたんだけど、雪だけじゃ寒そうだから、こっちの子は春」
振返って見た小十郎の顔が、一瞬、何とも言えない表情を作って……微笑んだ。
「いい名前だな」
「うん」
小十郎の一瞬だけ見せた表情は、驚きとも淋しさとも言えるような複雑なものだった。……これも、慶次は尋ねる事が出来なかった。
……だいじょぶ…いつか、聞いてもいいよね…?………
ミルクを飲み終わった子猫達が、仰向けに慶次の膝の上でごろごろと転がった。ぽっこりと膨らんだお腹を見て、小十郎が微笑んだ。
……いつか、教えてくれるんだよね…?………
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