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↓コジュケイです。
大家さんはオリキャラです。オリキャラ苦手な方はご容赦くださいませ。
大家さんはオリキャラです。オリキャラ苦手な方はご容赦くださいませ。
「あ〜……こりゃ……」
慶次の持ち込んだ段ボール箱を覗き込んで、中年の獣医がやれやれと言った声を出した。
「初乳は飲めたのかなぁ……」
カルテに記入するナースに、拾った場所や見つけた時の様子を話している慶次、心配そうな声を出す獣医に不安になる。……だって…まだ、こんなに小さいのに………
「どうしますか?」
獣医に尋ねられた慶次がぽかんと口を開けた。……どうするって…どうするって………さっき止まった涙がまた溢れそうになった。
「何か病気なんですか……あの……治療とか……」
待ち合い室で一緒になった桜さんの顔が脳裏に浮かんだ。
「今日はお金持ってないですけど…治療費はちゃんと払いますから!」
何か縁があって自分が見つけたのだから、出来れば助けてやりたい。
「いや……ああ、そうじゃないよ」
獣医もナースも泣きべそをかいている慶次にティッシュをくれたり、宥めたりして落ち着くのを待ってくれた。最後には、患畜を連れて来た子供に上げている飴を持ち出したりして……。
飴も貰って、しばらくして落ち着いた慶次に、獣医が優しく笑った。
「チビどもは、いい人に見つけて貰って幸せだねぇ」
段ボールの中の子猫達は、小さなほ乳壜でミルクを貰っている。
「どうするって言うのは、うちで預かって里親を探しますか…って事だったんだけど」
大騒ぎをして泣いていたのが恥ずかしくなって、慶次の顔が見る見る赤くなった。
「…出来れば…飼いたいんですけど……」
「猫を飼った事は?」
「ないです…」
「犬は?」
それにも、首を振った。
「いきなり多頭飼いは難しいよ。ミルクも3時間置きに上げなくちゃいけないし、お尻の世話もあるんだよ?」
だけど……慶次には自分が見つけたと言う思いがある。
「これから、きちんと世話が出来なければ、本当に病気になってしまうかも知れないよ」
黙って聞いていた慶次だが、自分のせいで病気になったらと思うと考え込んでしまった。
「じゃぁ、今日は2匹連れて帰って、様子を見てみるかい?大丈夫そうなら、段々に増やして行けばいいし…住宅事情もあるからね」
住宅と言われて、小十郎に何も言ってない事を思い出した。
「あ……」
「家族の人が一緒に住んでいるなら、相談しなくちゃね」
「……はい」
そうだった……。小十郎のマンションは古い賃貸だが、動物を飼っている住人はいたはずだ。その問題はないにしても、小十郎が猫を飼っちゃ駄目だと言ったら………。
「取りあえず、必要な物は貸して上げるから、今日は2匹連れてってごらん」
新しい段ボール箱に子猫とお湯を入れたペットボトルが入れられた。
ほ乳壜や猫ミルク、排泄用の脱脂綿などを袋に入れて貰って、授乳や保温について説明を受けた。
「出来そう?」
慶次より少し年上に見えるナースに説明されるのを一生懸命聞いていた慶次、音がするほど頷いた。
「解らない時は電話をするといいよ」
「はい!ありがとうございます!」
段ボールを抱えて、さっきの泣き顔はどこへいったのかと言うような慶次の笑顔。
そっと、子猫を入れた段ボールを抱えた慶次が待ち合い室に出ると、先に診察を終えた桜さんがいた。
「連れて帰るの?」
おばあちゃんもにっこり。
「うん。色々教えてもらったから、頑張ってみる」
慶次もにっこり。
一緒に帰ろうと言うおばあちゃんに、頷いて一緒に動物病院を出た。
しばらく歩いて、小十郎のマンションが見えて来た。
駐車場に、見覚えのあるコート姿。
「小十郎さん」
「慶次!てめぇ!何度言や解るんだ!鍵は……」
慶次を見るなり怒鳴り出した小十郎だが、慶次と一緒にいる小柄な老婆に気付いて口を閉じた。
「片倉さん、怒らないで上げてね。大変だったのよ」
おばあちゃんが小十郎と知り合いのようで吃驚した慶次だが、慌てて子猫を拾った事を小十郎に伝えた。
「飼っても……いい?俺、ちゃんと教わって来たから!全部自分でするから!」
差し出された段ボール箱を覗き込んだ小十郎の頬が一瞬弛んだ。
「いいわよね?……もう、いい頃じゃないかしら?」
おばあちゃんが、小十郎を見上げた。
「……絶対、何があっても泣かないなら、飼ってもいいぞ」
顔を引き締めた小十郎が、しぶしぶと言った。
「わー!ありがとう!小十郎さん!!」
おばあちゃんと小十郎の会話は気になったが、猫を飼ってもいいと言われて慶次大喜び。
またね。と言って小十郎と同じマンションに入って行ったおばあちゃん。
「小十郎さん…今のおばあちゃん知り合い?」
「大家さんだ。以前は連れ合いの人と別な所に住んでいたんだが、今は一階の角に住んでる」
「ふぅん……」
「こんな寒い所にいちゃ、冷えちまうだろ?」
そいつら、と小十郎が顎をしゃくって見せた。
「あ!そうだ!」
……小十郎さん…猫飼ってたのかな…?……後で聞いてみようと思いながら、今は早く子猫を暖かい所に連れて行かなくちゃと、のろのろと降りて来るエレベーターを待った。
慶次の持ち込んだ段ボール箱を覗き込んで、中年の獣医がやれやれと言った声を出した。
「初乳は飲めたのかなぁ……」
カルテに記入するナースに、拾った場所や見つけた時の様子を話している慶次、心配そうな声を出す獣医に不安になる。……だって…まだ、こんなに小さいのに………
「どうしますか?」
獣医に尋ねられた慶次がぽかんと口を開けた。……どうするって…どうするって………さっき止まった涙がまた溢れそうになった。
「何か病気なんですか……あの……治療とか……」
待ち合い室で一緒になった桜さんの顔が脳裏に浮かんだ。
「今日はお金持ってないですけど…治療費はちゃんと払いますから!」
何か縁があって自分が見つけたのだから、出来れば助けてやりたい。
「いや……ああ、そうじゃないよ」
獣医もナースも泣きべそをかいている慶次にティッシュをくれたり、宥めたりして落ち着くのを待ってくれた。最後には、患畜を連れて来た子供に上げている飴を持ち出したりして……。
飴も貰って、しばらくして落ち着いた慶次に、獣医が優しく笑った。
「チビどもは、いい人に見つけて貰って幸せだねぇ」
段ボールの中の子猫達は、小さなほ乳壜でミルクを貰っている。
「どうするって言うのは、うちで預かって里親を探しますか…って事だったんだけど」
大騒ぎをして泣いていたのが恥ずかしくなって、慶次の顔が見る見る赤くなった。
「…出来れば…飼いたいんですけど……」
「猫を飼った事は?」
「ないです…」
「犬は?」
それにも、首を振った。
「いきなり多頭飼いは難しいよ。ミルクも3時間置きに上げなくちゃいけないし、お尻の世話もあるんだよ?」
だけど……慶次には自分が見つけたと言う思いがある。
「これから、きちんと世話が出来なければ、本当に病気になってしまうかも知れないよ」
黙って聞いていた慶次だが、自分のせいで病気になったらと思うと考え込んでしまった。
「じゃぁ、今日は2匹連れて帰って、様子を見てみるかい?大丈夫そうなら、段々に増やして行けばいいし…住宅事情もあるからね」
住宅と言われて、小十郎に何も言ってない事を思い出した。
「あ……」
「家族の人が一緒に住んでいるなら、相談しなくちゃね」
「……はい」
そうだった……。小十郎のマンションは古い賃貸だが、動物を飼っている住人はいたはずだ。その問題はないにしても、小十郎が猫を飼っちゃ駄目だと言ったら………。
「取りあえず、必要な物は貸して上げるから、今日は2匹連れてってごらん」
新しい段ボール箱に子猫とお湯を入れたペットボトルが入れられた。
ほ乳壜や猫ミルク、排泄用の脱脂綿などを袋に入れて貰って、授乳や保温について説明を受けた。
「出来そう?」
慶次より少し年上に見えるナースに説明されるのを一生懸命聞いていた慶次、音がするほど頷いた。
「解らない時は電話をするといいよ」
「はい!ありがとうございます!」
段ボールを抱えて、さっきの泣き顔はどこへいったのかと言うような慶次の笑顔。
そっと、子猫を入れた段ボールを抱えた慶次が待ち合い室に出ると、先に診察を終えた桜さんがいた。
「連れて帰るの?」
おばあちゃんもにっこり。
「うん。色々教えてもらったから、頑張ってみる」
慶次もにっこり。
一緒に帰ろうと言うおばあちゃんに、頷いて一緒に動物病院を出た。
しばらく歩いて、小十郎のマンションが見えて来た。
駐車場に、見覚えのあるコート姿。
「小十郎さん」
「慶次!てめぇ!何度言や解るんだ!鍵は……」
慶次を見るなり怒鳴り出した小十郎だが、慶次と一緒にいる小柄な老婆に気付いて口を閉じた。
「片倉さん、怒らないで上げてね。大変だったのよ」
おばあちゃんが小十郎と知り合いのようで吃驚した慶次だが、慌てて子猫を拾った事を小十郎に伝えた。
「飼っても……いい?俺、ちゃんと教わって来たから!全部自分でするから!」
差し出された段ボール箱を覗き込んだ小十郎の頬が一瞬弛んだ。
「いいわよね?……もう、いい頃じゃないかしら?」
おばあちゃんが、小十郎を見上げた。
「……絶対、何があっても泣かないなら、飼ってもいいぞ」
顔を引き締めた小十郎が、しぶしぶと言った。
「わー!ありがとう!小十郎さん!!」
おばあちゃんと小十郎の会話は気になったが、猫を飼ってもいいと言われて慶次大喜び。
またね。と言って小十郎と同じマンションに入って行ったおばあちゃん。
「小十郎さん…今のおばあちゃん知り合い?」
「大家さんだ。以前は連れ合いの人と別な所に住んでいたんだが、今は一階の角に住んでる」
「ふぅん……」
「こんな寒い所にいちゃ、冷えちまうだろ?」
そいつら、と小十郎が顎をしゃくって見せた。
「あ!そうだ!」
……小十郎さん…猫飼ってたのかな…?……後で聞いてみようと思いながら、今は早く子猫を暖かい所に連れて行かなくちゃと、のろのろと降りて来るエレベーターを待った。
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