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↓マサケイです。
爪子さんの慶示板に投稿した物です。
爪子さんの慶示板に投稿した物です。
政宗の居室に向かった慶次だが、政宗はその部屋にいなかった。
出発は明日だと言っていた。今日はまだここにいるはず……、慶次屋敷の中を捜しまわった。
「だーりん!」
名前はもう知っている。
「だーりん!!」
でも、探しているのは奥州筆頭伊達政宗ではなくて、慶次の『いい人』なのだ。
「だーりーん!!」
政宗の部屋を出て、廊下を叫びながら走る。
「だーりん!!」
納戸はさっきまで自分でいた所だし、厠はもう行ってみた。利家の部屋の方には行かないだろうし………、慶次胸騒ぎのようなざわざわとした物を感じて厩に行った。
政宗は厩にいた。
まつに去る事を告げて、明日とは言ったが……もう、ここにいる事さえ辛いのだ。この屋敷にいれば、いやでも慶次の事ばかり考えてしまう。気配を感じたら顔を見たくなるだろうし、顔を見れば……悲しい顔は見たくない。あんなに泣かせてしまったのだ。慶次は親身になって政宗の世話をしてくれた命の恩人であるのに、あんな風に泣かせてしまった。
慶次の松風の隣に繋がれた葦毛。まつがこの馬を貸すと言った。今日の内に案内したと言う事は、まつも政宗に早く発って欲しいのだろう。
---当たり前だな…誰もhot bombを抱えたくないだろ……----
「よろしくな」
政宗、葦毛の牝馬の胴を撫でた。
優しげな黒い瞳をした葦毛馬が、政宗の頬に労るように顔を寄せた。
馬にさえ労られるほど自分は銷沈しているのかと、政宗が自嘲の笑みを零した時、厩の入り口から派手な衣が飛び込んで来た。
「だーりん!!」
「……慶次……」
唖然とする政宗の胸に、慶次が飛びついた。
「やだっ!行っちゃやだよ!」
「ばかっ!何言ってるかわかってんのか!」
「わかってるもん!」
必死に縛めて……慶次の背に触れないようにしていた政宗だが、真っ赤になった慶次に見上げられて……
「…だーりんなんだろ…?俺を置いてっちゃやだよぉ……」
泣き声の名残りの声で言われたら、我慢もそこまでだった。
「ばか……ほんとに……」
ぎゅう…と抱き締める政宗の腕。
「だーりん…好き……俺も…友達じゃないよ……」
「折角逃がしてやろうと思ってたのに……」
政宗も慶次に抱き締められて、溜息ではなく安堵の息を吐いた。
こんなにも……こんなにも愛しい………。
合わせた胸に流れるのは同じ思い。
「捕まえたのは俺だもん」
拾って来たんだから、と言う慶次の声も安堵の色がある。
まるで違った二人。だからこそ、出逢ってしまえば惹かれるしかなかったのかも知れない……。
「俺はしつこいぜ。あんたが嫌だって言っても……もう放してやれねぇ………」
「うん……俺も放さないよ…?」
いくら慶次がのんびりとしたところがあると言っても、政宗の立ち場は知っている。そして……慶次の大嫌いな戦にも出掛けるし……慶次が憎んでさえいた『天下』を賭けた争いにも加わっている。だが、それでも政宗と離れ難いのだ。
慶次の手が政宗の頬を挟んで……そっと唇を合わせる。啄むように、何度も触れながら、唇の隙間で小さな声で繰り返す。
「好き…好き…だーりん……大好き」
呪文のように、約束のように大切な言葉。政宗の胸に慶次の声が染み込んで来る。
「俺もだぜ…honey……愛してる……」
遊びでは口に出来なかった大切な言葉。慶次の胸にも政宗の言葉が染み込んで行く。
まだ、世は戦乱の時。
政宗が戦を止める日は遠い。
それでも、今二人胸に囲うのは、幼いほどの純情。
『好き。好き。愛してる』
ただ、それだけでいいのだ。
出発は明日だと言っていた。今日はまだここにいるはず……、慶次屋敷の中を捜しまわった。
「だーりん!」
名前はもう知っている。
「だーりん!!」
でも、探しているのは奥州筆頭伊達政宗ではなくて、慶次の『いい人』なのだ。
「だーりーん!!」
政宗の部屋を出て、廊下を叫びながら走る。
「だーりん!!」
納戸はさっきまで自分でいた所だし、厠はもう行ってみた。利家の部屋の方には行かないだろうし………、慶次胸騒ぎのようなざわざわとした物を感じて厩に行った。
政宗は厩にいた。
まつに去る事を告げて、明日とは言ったが……もう、ここにいる事さえ辛いのだ。この屋敷にいれば、いやでも慶次の事ばかり考えてしまう。気配を感じたら顔を見たくなるだろうし、顔を見れば……悲しい顔は見たくない。あんなに泣かせてしまったのだ。慶次は親身になって政宗の世話をしてくれた命の恩人であるのに、あんな風に泣かせてしまった。
慶次の松風の隣に繋がれた葦毛。まつがこの馬を貸すと言った。今日の内に案内したと言う事は、まつも政宗に早く発って欲しいのだろう。
---当たり前だな…誰もhot bombを抱えたくないだろ……----
「よろしくな」
政宗、葦毛の牝馬の胴を撫でた。
優しげな黒い瞳をした葦毛馬が、政宗の頬に労るように顔を寄せた。
馬にさえ労られるほど自分は銷沈しているのかと、政宗が自嘲の笑みを零した時、厩の入り口から派手な衣が飛び込んで来た。
「だーりん!!」
「……慶次……」
唖然とする政宗の胸に、慶次が飛びついた。
「やだっ!行っちゃやだよ!」
「ばかっ!何言ってるかわかってんのか!」
「わかってるもん!」
必死に縛めて……慶次の背に触れないようにしていた政宗だが、真っ赤になった慶次に見上げられて……
「…だーりんなんだろ…?俺を置いてっちゃやだよぉ……」
泣き声の名残りの声で言われたら、我慢もそこまでだった。
「ばか……ほんとに……」
ぎゅう…と抱き締める政宗の腕。
「だーりん…好き……俺も…友達じゃないよ……」
「折角逃がしてやろうと思ってたのに……」
政宗も慶次に抱き締められて、溜息ではなく安堵の息を吐いた。
こんなにも……こんなにも愛しい………。
合わせた胸に流れるのは同じ思い。
「捕まえたのは俺だもん」
拾って来たんだから、と言う慶次の声も安堵の色がある。
まるで違った二人。だからこそ、出逢ってしまえば惹かれるしかなかったのかも知れない……。
「俺はしつこいぜ。あんたが嫌だって言っても……もう放してやれねぇ………」
「うん……俺も放さないよ…?」
いくら慶次がのんびりとしたところがあると言っても、政宗の立ち場は知っている。そして……慶次の大嫌いな戦にも出掛けるし……慶次が憎んでさえいた『天下』を賭けた争いにも加わっている。だが、それでも政宗と離れ難いのだ。
慶次の手が政宗の頬を挟んで……そっと唇を合わせる。啄むように、何度も触れながら、唇の隙間で小さな声で繰り返す。
「好き…好き…だーりん……大好き」
呪文のように、約束のように大切な言葉。政宗の胸に慶次の声が染み込んで来る。
「俺もだぜ…honey……愛してる……」
遊びでは口に出来なかった大切な言葉。慶次の胸にも政宗の言葉が染み込んで行く。
まだ、世は戦乱の時。
政宗が戦を止める日は遠い。
それでも、今二人胸に囲うのは、幼いほどの純情。
『好き。好き。愛してる』
ただ、それだけでいいのだ。
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