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ゲーム系ニ次創作です
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↓……終盤の予感………

 小十郎と元親、しばらく黙って睨み合うように目を合わせていた。
 いつまでも黙っている事も出来ずに、小十郎が口を開こうとした時……元親が小十郎の眼前に掌を向けた。
「駄目だ……やっぱり聞けねぇ……」
 元親、小十郎に手を突いた。
「すまねぇ……あんたの言いたい事は判る……否…判ってるつもりだ……だけどよぉ…そりゃ…」
 政宗の口から聞きたい。元親きっぱりと言った。
「あんた…俺の覚悟を確かめるつもりなんだろ?」
 何かを必死に隠している政宗、小十郎は勿論その隠された事を知っている。元親が、政宗の秘密を聞いても、政宗を疎まないか、政宗を悲しませるような事をしないか……、小十郎は試そうとしている。
「俺も、いっぱしに戦場を渡り歩いて来たつもりだ。一旦決めた事は曲げねぇ」
「……長曽我部……」
「もしも…政宗が俺に隠している事があるなら、政宗から聞きてぇんだよ。あんたは竜の右目か知れないが…俺と政宗の間に……あんただって入って欲しく無いんだ」
 すまねぇ…頭を下げた元親の肩に小十郎が触れた。
「…良く言ってくれた……」
 今まで、小十郎を懐柔して政宗に近付こうとする者はいたが、政宗から小十郎を引き剥がしたいと言った者は初めてであったかも知れない。
「…筆頭は今まで傷ついてばかりいらしたから……優しくしてやって欲しい……俺が言いたいのはそれだけだ」
 やっと…伴侶になる者が現れた………。小十郎淋しさは覚えるが嬉しくもある。今まで、政宗の望んだ者は皆政宗から去って行ったのだ。何もかも手に入れられるように見える政宗が、恋した者は皆政宗を置き去りにした。
 小十郎立ち上がると、元親を案内すると言った。
 元親も部屋の前までしか言った事のない政宗の居室。
「政宗様。よろしいですか?」
 小十郎が声をかけると、襖が開いた。
「飯なら今日は……」
 小十郎の後ろに立っている元親を認めて、政宗が黙った。
「わりーな……片倉…さんに無理言って、ついて来た」
 照れくさそうに笑う元親。襖にかかった政宗の手を取った。
「どうしても……あんたを抱き締めたかった……」
 雨に冷やされたまま、冷たい身体で独りいるのでは無いかと………。元親の手が、政宗の肩を引き寄せて抱き締めた。
「やっぱりな……冷てぇ……」
 黙って小十郎が下がって行くと、元親の唇が政宗の耳に直に囁いた。
「俺じゃ無きゃ……あったまらねぇだろ?」
「元親………俺は……」
「俺は、あんたじゃ無きゃあったかくならねぇよ…?」
 政宗の手が、元親の背を抱いた。今度こそ……本当の自分を愛してもらえるのだろうか………政宗の胸の奥の古傷が痛んだ。何度も、何度も踏みにじられた傷が、留まる事なく血を流し続けている古い瑕。
「……俺が……ugly monsterでも……?」
 政宗、元親の手を解くと行灯の前に立った。帯を解いて……着物を落す。
 噛みしめた唇が震えるほど強く噛んで……隻眼は燃えるような色で元親を見詰めている。襦袢の腰紐を解いて、灯りの元に裸体を晒す。
 元親の初めて見る政宗だった。襦袢を落して背けた顔が小刻みに震えている。
「……政宗……」
 びくりと、政宗の肩が震えた。
 一歩踏み出して、政宗の前に立った元親、政宗の腰に腕を回して引き寄せた。
「…やっぱりな……」
 抱き締めた元親の言葉に、政宗の隻眼が元親を睨み付けた。
「着物…着てるより細い腰だと思ってたんだ」
「…え?」
「だから、腰紐なんて不粋なもんがなけりゃ……俺の片腕で余るくらいの腰だって思ってたんだよ、ずっと」
「ばか…おまえ……目が見えねぇのかよ」
 政宗の拳が、元親の胸を叩いた。
「小汚ねぇ俺の身体が見えねぇのかよ!」
 叫ぶ声が泣いていた。
「馬鹿だな、政宗」
 泣きながら元親を叩く政宗を胸に抱いて、元親腕に力を込める。
 ………可愛い…こいつ、何でこんなに可愛いんだよ………
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