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拍手下さった方、ありがとうございます!
3/19『元親に言葉攻め〜』とコメント下さった方→ありがとうございます!チカはエロい事とかいっぱい言うといいですよ(笑)言葉攻めも恥ずかしがらせたい訳じゃ無くて、言いたいから言っちゃうみたいなスタンスが好きです(^^)飾らないのがかっこいい海の男希望です。よろしかったら、またおつき合いくださいませねv
↓コジュケイです。
……オリジナル…?
3/19『元親に言葉攻め〜』とコメント下さった方→ありがとうございます!チカはエロい事とかいっぱい言うといいですよ(笑)言葉攻めも恥ずかしがらせたい訳じゃ無くて、言いたいから言っちゃうみたいなスタンスが好きです(^^)飾らないのがかっこいい海の男希望です。よろしかったら、またおつき合いくださいませねv
↓コジュケイです。
……オリジナル…?
家に戻った慶次、子猫の入ったケージを膝にのせてぼんやりとしていた。
……そうだよね、小十郎さんに誰もいなかったらその方がおかしいよ………
しかも、小十郎が暮らしていた相手は死んでいるのだ。
……馬鹿みたい…当たり前なのに………
どこかで、小十郎も一緒に暮らすほど思い合った人はいないと思っていた。
ぽつ、とケージの上に雫が落ちた。
「…ちがうもん……」
ごしごしと顔を擦ったが、流れ出した涙は止まらない。
嫉妬などではない。小十郎の過去を縛りたいなんて思っていない。
……それでも涙は止まらない。慶次の膝の上で子猫がにぃにぃと鳴いている。
「…そだ……ご飯だよね〜。待っててね、すぐだから」
キッチンに入ってミルクの缶を暖める。
夕食の支度もしようと、冷蔵庫を開けて………ふと、手が止まった。
……この冷蔵庫は…ずっとあったんだよね…………慶次が一緒に暮らすようになって、小十郎の家財道具はかなり入れ替わった。黒い皮張りのソファはショッキングピンクの豹柄ラブチェアに、リビングの壁はクレーンゲームの戦利品置き場に、ベランダに続く大きな窓辺には慶次のパソコンデスクがある。小十郎は壊滅的に機械に弱い。一人で暮らしていたらパソコンなどは持たなかったはずだ。ベッドルームにも大きなダブルベッドを入れた。ピンクのラビットファーのカバーをかけると小十郎が『ラブホみたいだ』と言って笑った。行った事が無いから解らないと慶次が言うと、似合わないきょとんとした顔をした後で大笑いされた。
「……連れてってくれるって言ったのに………」
冷蔵庫に頭を突っ込んでいると、ミルクを湯せんにかけていた鍋が吹いた。
慌てて火を止めて鍋を下ろすが、かなり熱くなってしまっている。仕方なく鍋ごと水に浸けた。
「ダメじゃん……俺……お母さんなのに」
ほ乳壜を暖めて、もう一度冷蔵庫を覗く。
「…肩ロースとキャベツ……生姜焼きにしようかな…」
キッチンの隅に置いたバスケットからタマネギを取り出す。はじめの頃は買い物して来た物を全て冷蔵庫にしまっていた慶次だが、今はお料理教室にも通って色々な事が解って来た。
生姜を擦り下ろし、醤油とみりんを入れたバットに絞汁とタマネギの薄切りを入れる。肉は筋を切って片栗粉を軽くまぶして別なバットに入れた。
キャベツを取り出して千切りにしている内に、渇いていた涙がまた溢れた。
……タマネギじゃないのに………
止めようと思っても、後から後から涙が溢れる。
………ごめんね…小十郎さん……ごめんね………
猫を飼いたいと言った慶次に、一瞬躊躇した小十郎。『何があっても泣くな』……小十郎の言葉が今は痛い。猫は小十郎の悲しい記憶を蘇らせたのだ。
………ごめんね、小十郎さん………
キャベツがしょっぱくなるのでは無いかと思うほど涙が溢れだした。
……俺…小十郎さんに迷惑ばっかりかけてる…?………
最初は小十郎は恐いおじさんだった。政宗に預けられた慶次の護衛についた小十郎は、仏頂面でいつも怒っているように見えた。何とかして自分は厄介なだけの子供じゃ無いと認めさせたかったが……むきになっている内に、小十郎の事が気になって気になって仕方が無くなった。……そして気付いた時には、離れられないくらいに好きになっていた。勝手に大学を宮城に決めて、どうしても一緒に暮らしたいと乗り込んで……慶次、そこまで思い出して、包丁を置いた。
「……俺だけ……?……おれ……」
小十郎さんは……俺に流されただけ……?………
「慶次、猫が……」
シンクの前にしゃがみ込んで泣いていると、小十郎の声がした。いつ帰って来たのか、キッチンで泣いていた慶次は気付かなかった。
「どうした?怪我したのか?」
「……ちがう…さっきタマネギ切って……」
……心配かけちゃダメ…小十郎さんに迷惑かけちゃダメ…………慶次、必死に笑顔を作ろうとするが……どうしても笑えない。
「慶次……」
顔を覆って泣く慶次を放って置く事は出来ないが、リビングで泣きわめいている子猫も放って置けない。
「取りあえず…あいつらにミルクやってくるぞ」
シンクの上にあるほ乳壜を取り上げた小十郎、ミルクの缶の中身をあけた。
……そうだよね、小十郎さんに誰もいなかったらその方がおかしいよ………
しかも、小十郎が暮らしていた相手は死んでいるのだ。
……馬鹿みたい…当たり前なのに………
どこかで、小十郎も一緒に暮らすほど思い合った人はいないと思っていた。
ぽつ、とケージの上に雫が落ちた。
「…ちがうもん……」
ごしごしと顔を擦ったが、流れ出した涙は止まらない。
嫉妬などではない。小十郎の過去を縛りたいなんて思っていない。
……それでも涙は止まらない。慶次の膝の上で子猫がにぃにぃと鳴いている。
「…そだ……ご飯だよね〜。待っててね、すぐだから」
キッチンに入ってミルクの缶を暖める。
夕食の支度もしようと、冷蔵庫を開けて………ふと、手が止まった。
……この冷蔵庫は…ずっとあったんだよね…………慶次が一緒に暮らすようになって、小十郎の家財道具はかなり入れ替わった。黒い皮張りのソファはショッキングピンクの豹柄ラブチェアに、リビングの壁はクレーンゲームの戦利品置き場に、ベランダに続く大きな窓辺には慶次のパソコンデスクがある。小十郎は壊滅的に機械に弱い。一人で暮らしていたらパソコンなどは持たなかったはずだ。ベッドルームにも大きなダブルベッドを入れた。ピンクのラビットファーのカバーをかけると小十郎が『ラブホみたいだ』と言って笑った。行った事が無いから解らないと慶次が言うと、似合わないきょとんとした顔をした後で大笑いされた。
「……連れてってくれるって言ったのに………」
冷蔵庫に頭を突っ込んでいると、ミルクを湯せんにかけていた鍋が吹いた。
慌てて火を止めて鍋を下ろすが、かなり熱くなってしまっている。仕方なく鍋ごと水に浸けた。
「ダメじゃん……俺……お母さんなのに」
ほ乳壜を暖めて、もう一度冷蔵庫を覗く。
「…肩ロースとキャベツ……生姜焼きにしようかな…」
キッチンの隅に置いたバスケットからタマネギを取り出す。はじめの頃は買い物して来た物を全て冷蔵庫にしまっていた慶次だが、今はお料理教室にも通って色々な事が解って来た。
生姜を擦り下ろし、醤油とみりんを入れたバットに絞汁とタマネギの薄切りを入れる。肉は筋を切って片栗粉を軽くまぶして別なバットに入れた。
キャベツを取り出して千切りにしている内に、渇いていた涙がまた溢れた。
……タマネギじゃないのに………
止めようと思っても、後から後から涙が溢れる。
………ごめんね…小十郎さん……ごめんね………
猫を飼いたいと言った慶次に、一瞬躊躇した小十郎。『何があっても泣くな』……小十郎の言葉が今は痛い。猫は小十郎の悲しい記憶を蘇らせたのだ。
………ごめんね、小十郎さん………
キャベツがしょっぱくなるのでは無いかと思うほど涙が溢れだした。
……俺…小十郎さんに迷惑ばっかりかけてる…?………
最初は小十郎は恐いおじさんだった。政宗に預けられた慶次の護衛についた小十郎は、仏頂面でいつも怒っているように見えた。何とかして自分は厄介なだけの子供じゃ無いと認めさせたかったが……むきになっている内に、小十郎の事が気になって気になって仕方が無くなった。……そして気付いた時には、離れられないくらいに好きになっていた。勝手に大学を宮城に決めて、どうしても一緒に暮らしたいと乗り込んで……慶次、そこまで思い出して、包丁を置いた。
「……俺だけ……?……おれ……」
小十郎さんは……俺に流されただけ……?………
「慶次、猫が……」
シンクの前にしゃがみ込んで泣いていると、小十郎の声がした。いつ帰って来たのか、キッチンで泣いていた慶次は気付かなかった。
「どうした?怪我したのか?」
「……ちがう…さっきタマネギ切って……」
……心配かけちゃダメ…小十郎さんに迷惑かけちゃダメ…………慶次、必死に笑顔を作ろうとするが……どうしても笑えない。
「慶次……」
顔を覆って泣く慶次を放って置く事は出来ないが、リビングで泣きわめいている子猫も放って置けない。
「取りあえず…あいつらにミルクやってくるぞ」
シンクの上にあるほ乳壜を取り上げた小十郎、ミルクの缶の中身をあけた。
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