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↓チカダテです。
かっこいい元親アニキを目指します……
かっこいい元親アニキを目指します……
政宗が持ち込んだ絵図面を基にして、元親の造船が始まった。
領内に造船所を作り、元親の気に入った船大工を呼び寄せた。
……政宗にとっては、これは飴なのだ。元親をいかにして自分に繋ぎとめるか……竜と見えた男の中は、これほどに臆病だったのだ。絶対的な支配で自分に繋ぎとめる……、それも政宗には可能であったかもしれない。元親を捕らえた時はそうして支配するつもりでいた。元親がこのような男でなければ………。
元親は今までに政宗が出会った誰とも違っていた。政宗を敬い平伏すこともせず、政宗を恐れ嫌う事もせず、……政宗の真の姿を知っても逃げ出す事も悩む事もなかった。あるがまま、そのままの政宗を受け入れてくれたのだ。
きっと、こんな男には二度と逢えない。
独占したかった。元親が政宗以外の何にも心を移さないように、独占したかった。
閉じ込めて、毎日自分をどれほど愛しているかと言わせたかった。……だが、それも出来ないほど………政宗は臆病になった。
思い通りにならないならば、自分に靡かぬ者なら、従わせる事が出来ないならば……命を奪っても、自分の者にして来た。今回は、どうしてもそれが出来ないのだ。元親を失ったら………思うだけで政宗の右目の奥が疼いた。元親を殺す事を思っただけで、体中の古傷から血が噴出してくるかと思うほど心が痛んだ。
何もかもが、今までとは違うのだ。
元親の喜ぶ顔が見たい。元親の好きな事をさせてやりたい……。
今も、造船所で図面を片手に飛び回っている元親を見るだけで心に暖かい情が湧いてくる。……unbelievable……こんな自分は信じられなかった。
「政宗!」
元親が政宗の姿を認めて走り寄ってくる。
「すげー船が出来るぜ」
興奮した様子の元親が政宗の肩を引き寄せた。
「昼飯持ってきたんだ、lunchにしようぜ」
元親の腕をやんわりと外した政宗が、重箱を掲げて見せた。
「おっ!何食わせてくれんだ?……うちの奥さん料理上手だからな~」
臆面もなくにやける元親に政宗が肘を打ち込んだ。
「いてぇな。……なんだよ、怒んなよ」
それでも、緩む口元が抑えられない元親。重箱を提げて歩く政宗に纏わり付く。
こんな事も……政宗にとっては初めての事だった。
造船所の隣に作られた小さな屋敷で重箱の中身を平らげた元親、膨れた腹で座敷の真ん中に寝そべった。
幸せ………今の状況は元親にとって信じられないような幸運に恵まれたと言ってよい。だが、どこか違和感を覚える。居心地はいいのだが、尻の座りの悪い思いがいつもある。何もかも、元親に都合の良いように進められている。順調なのはいいのだが、他人の思惑に動かされているような居心地の悪さが拭えない。
「なぁ……政宗?」
隣に足を投げ出して座っている政宗に近づくと、その膝に頭を乗せた。蹴り落とされるのは覚悟していたが、政宗の六爪を操るのが信じられない指先が、元親のこわい髪をくしゃくしゃと掻き回した。
膝枕に見上げる政宗の瞳は穏やかで、戦場にいる政宗とはまるで違っている。
「いい船になりそうか?」
口の端を上げるような皮肉な感じではなく、うっすらと笑みに開かれた政宗の唇に、元親そっと指先で触れてみた。
「あんたを乗せる船だって言ったじゃねーか……いい船になるに決まってる」
見下ろす政宗の目が細められた。
「あんたさぁ…海しか見えねぇとこ、行った事あるか?」
「ねーな。うちも騎馬が主流だからな」
「周り中全部、海と空の青だけなんだ………何もねぇ……ぽっかりと青い中に浮かんでるみてーで……すげー気持ちいいんだぜ」
伸び上がった元親が政宗の唇に口付けた。政宗の目が、あまりにも淋しそうで……あまりにも一人ぼっちだと言っているようで………。
……この孤独は、どうすれば分け合えるんだろう……柔らかく政宗の唇を吸いながら、元親の頭の中はその事で一杯になる。二人でいても、一人づつ………独りと独りが寄り添っているだけなのだ。
「今は……触ってもいいか?」
唇を合わせながら政宗の体を自分の下に引き込んだ。
「昼間っからか?サル野郎」
「そうでもいいけど……そうじゃなくてもいい」
ただ、抱きしめていたいだけだ……元親の声が政宗を包む。
抱きたいのは、体だけじゃねぇ………うまく伝わらない思いは、お互いの胸の中にある。
領内に造船所を作り、元親の気に入った船大工を呼び寄せた。
……政宗にとっては、これは飴なのだ。元親をいかにして自分に繋ぎとめるか……竜と見えた男の中は、これほどに臆病だったのだ。絶対的な支配で自分に繋ぎとめる……、それも政宗には可能であったかもしれない。元親を捕らえた時はそうして支配するつもりでいた。元親がこのような男でなければ………。
元親は今までに政宗が出会った誰とも違っていた。政宗を敬い平伏すこともせず、政宗を恐れ嫌う事もせず、……政宗の真の姿を知っても逃げ出す事も悩む事もなかった。あるがまま、そのままの政宗を受け入れてくれたのだ。
きっと、こんな男には二度と逢えない。
独占したかった。元親が政宗以外の何にも心を移さないように、独占したかった。
閉じ込めて、毎日自分をどれほど愛しているかと言わせたかった。……だが、それも出来ないほど………政宗は臆病になった。
思い通りにならないならば、自分に靡かぬ者なら、従わせる事が出来ないならば……命を奪っても、自分の者にして来た。今回は、どうしてもそれが出来ないのだ。元親を失ったら………思うだけで政宗の右目の奥が疼いた。元親を殺す事を思っただけで、体中の古傷から血が噴出してくるかと思うほど心が痛んだ。
何もかもが、今までとは違うのだ。
元親の喜ぶ顔が見たい。元親の好きな事をさせてやりたい……。
今も、造船所で図面を片手に飛び回っている元親を見るだけで心に暖かい情が湧いてくる。……unbelievable……こんな自分は信じられなかった。
「政宗!」
元親が政宗の姿を認めて走り寄ってくる。
「すげー船が出来るぜ」
興奮した様子の元親が政宗の肩を引き寄せた。
「昼飯持ってきたんだ、lunchにしようぜ」
元親の腕をやんわりと外した政宗が、重箱を掲げて見せた。
「おっ!何食わせてくれんだ?……うちの奥さん料理上手だからな~」
臆面もなくにやける元親に政宗が肘を打ち込んだ。
「いてぇな。……なんだよ、怒んなよ」
それでも、緩む口元が抑えられない元親。重箱を提げて歩く政宗に纏わり付く。
こんな事も……政宗にとっては初めての事だった。
造船所の隣に作られた小さな屋敷で重箱の中身を平らげた元親、膨れた腹で座敷の真ん中に寝そべった。
幸せ………今の状況は元親にとって信じられないような幸運に恵まれたと言ってよい。だが、どこか違和感を覚える。居心地はいいのだが、尻の座りの悪い思いがいつもある。何もかも、元親に都合の良いように進められている。順調なのはいいのだが、他人の思惑に動かされているような居心地の悪さが拭えない。
「なぁ……政宗?」
隣に足を投げ出して座っている政宗に近づくと、その膝に頭を乗せた。蹴り落とされるのは覚悟していたが、政宗の六爪を操るのが信じられない指先が、元親のこわい髪をくしゃくしゃと掻き回した。
膝枕に見上げる政宗の瞳は穏やかで、戦場にいる政宗とはまるで違っている。
「いい船になりそうか?」
口の端を上げるような皮肉な感じではなく、うっすらと笑みに開かれた政宗の唇に、元親そっと指先で触れてみた。
「あんたを乗せる船だって言ったじゃねーか……いい船になるに決まってる」
見下ろす政宗の目が細められた。
「あんたさぁ…海しか見えねぇとこ、行った事あるか?」
「ねーな。うちも騎馬が主流だからな」
「周り中全部、海と空の青だけなんだ………何もねぇ……ぽっかりと青い中に浮かんでるみてーで……すげー気持ちいいんだぜ」
伸び上がった元親が政宗の唇に口付けた。政宗の目が、あまりにも淋しそうで……あまりにも一人ぼっちだと言っているようで………。
……この孤独は、どうすれば分け合えるんだろう……柔らかく政宗の唇を吸いながら、元親の頭の中はその事で一杯になる。二人でいても、一人づつ………独りと独りが寄り添っているだけなのだ。
「今は……触ってもいいか?」
唇を合わせながら政宗の体を自分の下に引き込んだ。
「昼間っからか?サル野郎」
「そうでもいいけど……そうじゃなくてもいい」
ただ、抱きしめていたいだけだ……元親の声が政宗を包む。
抱きたいのは、体だけじゃねぇ………うまく伝わらない思いは、お互いの胸の中にある。
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