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拍手にコメントくださった方、ありがとうございます!
4/18『とうとう佐助も~』とコメントくださった方*ありがとうございます!そうです、佐助も食べられちゃいました(^^)誰でも食べちゃいますよ、政宗先生。おしおき先生は、節操のない政宗にするのが楽しいので、他のCPに関係なく、どんどん喰わせちゃおうと思ってます(笑)よかったら、またお付き合いくださいませねv
↓チカダテです。
チカはナチュラルな男前希望です。
4/18『とうとう佐助も~』とコメントくださった方*ありがとうございます!そうです、佐助も食べられちゃいました(^^)誰でも食べちゃいますよ、政宗先生。おしおき先生は、節操のない政宗にするのが楽しいので、他のCPに関係なく、どんどん喰わせちゃおうと思ってます(笑)よかったら、またお付き合いくださいませねv
↓チカダテです。
チカはナチュラルな男前希望です。
元親の新しい船の建造は続けられた。吟味した木材を運びこみ、徐々に姿を現す船に元親の配下の者達もそわそわとし始めた。皆、海の男なのだ。船を見れば潮に吹かれたいのだ。
皆の体も鈍っているようだからと、元親、政宗に海に出たいと言った。
「前の船も直ってるし、ちょっと体慣らしにさ」
そういう元親に政宗も異存は無かった。船乗りを陸に囲って置いても仕方ないと、船出を許した。
「どのくらいで戻ってくるんだ?」
「慣らしだからな、十日も出りゃ十分だろう」
「ふぅん……」
小さく鼻を鳴らした政宗、にやりと笑うと元親を見上げた。
「俺にもrelaxationは必要だからな」
体がもたねぇ、と笑う政宗に元親も歯を見せた。
「あんたも行くんだよ。慣らしは、あんたのためなんだからな」
「な……ばかか、俺がそう簡単にここを離れられると思ってんのかよ」
「片倉さんにゃ言ってあるぜ?船が出来ていきなり外海に出たら、あんた胃袋を吐き出しちまうぜ、きっと」
「聞いてねーよ!」
慌てる政宗だが、納得がいったところもあった。この何日かやけに小十郎に急かされて仕事を片付けさせられていたのだ。
「あの野郎……道理でtight scheduleだと思ったら……」
「あんた、明日から十日は予定が無いはずだぜ」
嬉しそうににやにやと笑う元親の腹に政宗の肘が打ち込まれた。
「うちの家老を誑し込むとはいい度胸だな」
「人聞き悪い事言うなよ。誰があんなおっさん誑し込むかよ」
肘鉄を食らっても元親は嬉しそうだ。本当に政宗と海に出るのが嬉しくて仕方ないらしい。
「しょうがねーな……付き合ってやるか」
くすくすと笑う政宗が可愛らしかった。仕方ないと言いながら、嬉しそうに元親を見詰める政宗の眼が、可愛らしかった。
「嬉しそうな顔しやがって…サル野郎が」
照れ隠しのように言う政宗を、元親の腕が抱き上げた。
「嬉しそうじゃなくて嬉しいんだよ」
抱き上げると、政宗の体は見掛け以上に軽い。戦装束はもともと体を守るのと、相手を威嚇する為の物だから、政宗を大きく見せているが普段の政宗は華奢とも思えるほどに細い。元親の腕一本で抱えられてしまうような体。その身が精一杯に意地を張るのが、元親には可愛らしい。
翌日は快晴、船出には絶好の空だった。
船まで送ってきた小十郎が、政宗の身の回りの品を船に運び込みながら最後まで自分も残りたいと言っていたが、政宗に言い含められてしぶしぶと帰っていった。小十郎にしてみれば、煩く口出ししたい訳ではなく、政宗を一人にするのが不安なのだ。政宗が病をえた幼い頃から、小十郎は片時も離れた事が無かった。戦場でも、竜の右目、竜の背を守るのは片倉小十郎以外には無かったのだ。政宗も、そうなのだと思っていた。元親が政宗だけを連れて行きたいと言った時にも、小十郎は出来るならばするがいいと思っていた。政宗が自分を置いて行くとは思わなかったのだ。
静かに港を離れて行く船の甲板で、政宗が手を振った。屈託無く笑う政宗が、小十郎に手を振っている。
ちり、と小十郎の胸が痛んだ。
小十郎が掌中に大事に守ってきた政宗。どんな戦場も背を預けあって来た。政宗の孤独を埋めるのは、自分だけだと思っていた。小十郎、胸を占める淋しさを振り払うように手を振った。甲板に元親と立つ政宗に向かって手を振った。
……もう、保護者はいらないか……自分の手を離れてしまう政宗、巣立ちの相手に選んだのは元親だった。
凪いだ海を滑るように進んで行く船影が見えなくなるまで、小十郎港に佇んでいた。
淋しくないと言えば、嘘になる。だが、小十郎は政宗の全てを受け止めて生きてきたのだ。今の政宗も、小十郎には変わりない自分の主。だから、ただ受け止める。政宗を埋める元親ごと、ただ受け止めるのだ。
皆の体も鈍っているようだからと、元親、政宗に海に出たいと言った。
「前の船も直ってるし、ちょっと体慣らしにさ」
そういう元親に政宗も異存は無かった。船乗りを陸に囲って置いても仕方ないと、船出を許した。
「どのくらいで戻ってくるんだ?」
「慣らしだからな、十日も出りゃ十分だろう」
「ふぅん……」
小さく鼻を鳴らした政宗、にやりと笑うと元親を見上げた。
「俺にもrelaxationは必要だからな」
体がもたねぇ、と笑う政宗に元親も歯を見せた。
「あんたも行くんだよ。慣らしは、あんたのためなんだからな」
「な……ばかか、俺がそう簡単にここを離れられると思ってんのかよ」
「片倉さんにゃ言ってあるぜ?船が出来ていきなり外海に出たら、あんた胃袋を吐き出しちまうぜ、きっと」
「聞いてねーよ!」
慌てる政宗だが、納得がいったところもあった。この何日かやけに小十郎に急かされて仕事を片付けさせられていたのだ。
「あの野郎……道理でtight scheduleだと思ったら……」
「あんた、明日から十日は予定が無いはずだぜ」
嬉しそうににやにやと笑う元親の腹に政宗の肘が打ち込まれた。
「うちの家老を誑し込むとはいい度胸だな」
「人聞き悪い事言うなよ。誰があんなおっさん誑し込むかよ」
肘鉄を食らっても元親は嬉しそうだ。本当に政宗と海に出るのが嬉しくて仕方ないらしい。
「しょうがねーな……付き合ってやるか」
くすくすと笑う政宗が可愛らしかった。仕方ないと言いながら、嬉しそうに元親を見詰める政宗の眼が、可愛らしかった。
「嬉しそうな顔しやがって…サル野郎が」
照れ隠しのように言う政宗を、元親の腕が抱き上げた。
「嬉しそうじゃなくて嬉しいんだよ」
抱き上げると、政宗の体は見掛け以上に軽い。戦装束はもともと体を守るのと、相手を威嚇する為の物だから、政宗を大きく見せているが普段の政宗は華奢とも思えるほどに細い。元親の腕一本で抱えられてしまうような体。その身が精一杯に意地を張るのが、元親には可愛らしい。
翌日は快晴、船出には絶好の空だった。
船まで送ってきた小十郎が、政宗の身の回りの品を船に運び込みながら最後まで自分も残りたいと言っていたが、政宗に言い含められてしぶしぶと帰っていった。小十郎にしてみれば、煩く口出ししたい訳ではなく、政宗を一人にするのが不安なのだ。政宗が病をえた幼い頃から、小十郎は片時も離れた事が無かった。戦場でも、竜の右目、竜の背を守るのは片倉小十郎以外には無かったのだ。政宗も、そうなのだと思っていた。元親が政宗だけを連れて行きたいと言った時にも、小十郎は出来るならばするがいいと思っていた。政宗が自分を置いて行くとは思わなかったのだ。
静かに港を離れて行く船の甲板で、政宗が手を振った。屈託無く笑う政宗が、小十郎に手を振っている。
ちり、と小十郎の胸が痛んだ。
小十郎が掌中に大事に守ってきた政宗。どんな戦場も背を預けあって来た。政宗の孤独を埋めるのは、自分だけだと思っていた。小十郎、胸を占める淋しさを振り払うように手を振った。甲板に元親と立つ政宗に向かって手を振った。
……もう、保護者はいらないか……自分の手を離れてしまう政宗、巣立ちの相手に選んだのは元親だった。
凪いだ海を滑るように進んで行く船影が見えなくなるまで、小十郎港に佇んでいた。
淋しくないと言えば、嘘になる。だが、小十郎は政宗の全てを受け止めて生きてきたのだ。今の政宗も、小十郎には変わりない自分の主。だから、ただ受け止める。政宗を埋める元親ごと、ただ受け止めるのだ。
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