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拍手にコメントくださった方、ありがとうございます!
4/24『元親兄貴はやっぱ~』とコメントくださった方*ありがとうございます!そうなんです。歯痒いのです……政宗を元親が癒してくれるといいなぁと思って書いています。政宗は背負うものが辛い印象なので……『1』のエンディングの一人ぼっちが、今も私には強い印象があるのです。なんとなく、海の男は広い心で政宗を包んでくれるんじゃないかと……でも、元親はかなり勝手に動いてしまうので……思ったよりも恥ずかしい人になってるかも………よろしかったら、またお付き合いくださいませねvv
↓チカダテです。
政宗……卑屈……
4/24『元親兄貴はやっぱ~』とコメントくださった方*ありがとうございます!そうなんです。歯痒いのです……政宗を元親が癒してくれるといいなぁと思って書いています。政宗は背負うものが辛い印象なので……『1』のエンディングの一人ぼっちが、今も私には強い印象があるのです。なんとなく、海の男は広い心で政宗を包んでくれるんじゃないかと……でも、元親はかなり勝手に動いてしまうので……思ったよりも恥ずかしい人になってるかも………よろしかったら、またお付き合いくださいませねvv
↓チカダテです。
政宗……卑屈……
甲板の上に、ずっと二人佇んでいた。
夕日が水平線を赤く染めるのも、月が昇り星が瞬くのも……ずっと二人でいた。
真っ暗な海の上、甲板から政宗空を見上げた。
降りかかるように瞬く星々。
「marvelous……」
月明かりに照らされた政宗の横顔が呟いた。
元親は月光に濡らされたような政宗の横顔を見詰めていた。細く高い鼻梁の先に唇が僅かに笑みを浮かべている。
甲板に腰を下ろした政宗、隣に座った元親の膝の上に仰向けに頭を乗せた。
「陸で見る空よりでけぇだろ?」
「俺が見てるのは星じゃねぇ」
政宗の隻眼が元親を見上げた。
「三国一の男前がいるからな。そいつを見てた」
にやりと笑って言う政宗に、元親が噴出した。
元親を見詰める政宗の瞳の中にも星が瞬いている。
するりと上げられた細い指先が、元親の頬を撫でて、引き寄せる。
「もう、気分はいいのか?」
覗きこんだ元親の目が、政宗を気遣うように見ている。……とんでもなく、優しい男………海原のように広く、波のように緩やかに政宗を包み込む男。
「ああ、feel well……」
目を閉じた政宗の睫の先に、小さなきらめきが一瞬見えた。
「ここがあんたのterritoryだからだな……」
「てりとりー?」
「海はあんたの縄張りだろ?」
海の波は、体に馴染めば元親の腕にいる心地にさせた。潮の香りも、元親の胸を思わせる。
「まぁな……ここは俺の家だな」
遠い水平線を見る元親の目は穏かで、けれどその底に猛々しい鬼の目を宿す。…猛々しい鬼……そして、その鬼は優しい。
「なぁ…海にいるあんたは…その……すごく綺麗だ……あんたに海は似合うと思ってたんだよ」
柄にも無く照れたような元親の言葉に、政宗が目を開いた。
「俺にあんたが似合いだって事か?」
いたずらそうに言う政宗の口許が緩んで、柔らかい笑みが浮いた。
「ああ……だから、俺に全部預けちまえよ」
元親の瞳の真剣。
「あんたが陸じゃ降ろせない荷物は……海にいる時は俺に預けちまえよ」
元親は自分の事をどれだけ知っているのだろう……政宗から元親に自分の傷を晒したのは、初めて裸で抱き合った時だけだった。家督を廻っての争いや、奥州を束ねる苦労などは話したことが無かった。
「あんたは天に昇る竜なんだろ?重荷は、少しは捨てたっていいんじゃねーか?」
優しい手は政宗の髪を梳いて、甘やかすように労わるように……。
「陸にいる俺は、あんたと対等とさえ言えねーかも知れねぇけど……海に出たら、俺に預けちまえよ、あんたを全部」
「……それはいつまでなんだ……」
元親の優しさが恐い。離れられないほど縋ってしまってから、もういらないと言われたら……。その思いが政宗に言わずもがなの事を言わせる。
「?いつまでって……いつまでもだよ」
元親の答えに政宗が起き上がった。
「いつまでもなんて、ねぇんだよ……俺の……」
立ち上がった政宗、元親に背を向けた。
「俺にずっとついて来たのは……小十郎だけだ……他の誰も、誰も俺とはずっといられねぇんだよ!」
自分の肩を抱きしめて、折れそうになる身を必死に立てる政宗の背中は小刻みに震えている。
「俺がどんなに、そいつと添い遂げたいと思っても、皆俺を離れてったんだよ!」
元親を拒むように向けた背中だったが、言葉以上に政宗の声は元親を呼んでいる。
「何でだよ……元親……あんたといると俺はみっともない事ばっかりしてやがる……」
降るような星の下。
政宗の背中は震えていた。
臆病な心を晒して、ただ震えていた。
夕日が水平線を赤く染めるのも、月が昇り星が瞬くのも……ずっと二人でいた。
真っ暗な海の上、甲板から政宗空を見上げた。
降りかかるように瞬く星々。
「marvelous……」
月明かりに照らされた政宗の横顔が呟いた。
元親は月光に濡らされたような政宗の横顔を見詰めていた。細く高い鼻梁の先に唇が僅かに笑みを浮かべている。
甲板に腰を下ろした政宗、隣に座った元親の膝の上に仰向けに頭を乗せた。
「陸で見る空よりでけぇだろ?」
「俺が見てるのは星じゃねぇ」
政宗の隻眼が元親を見上げた。
「三国一の男前がいるからな。そいつを見てた」
にやりと笑って言う政宗に、元親が噴出した。
元親を見詰める政宗の瞳の中にも星が瞬いている。
するりと上げられた細い指先が、元親の頬を撫でて、引き寄せる。
「もう、気分はいいのか?」
覗きこんだ元親の目が、政宗を気遣うように見ている。……とんでもなく、優しい男………海原のように広く、波のように緩やかに政宗を包み込む男。
「ああ、feel well……」
目を閉じた政宗の睫の先に、小さなきらめきが一瞬見えた。
「ここがあんたのterritoryだからだな……」
「てりとりー?」
「海はあんたの縄張りだろ?」
海の波は、体に馴染めば元親の腕にいる心地にさせた。潮の香りも、元親の胸を思わせる。
「まぁな……ここは俺の家だな」
遠い水平線を見る元親の目は穏かで、けれどその底に猛々しい鬼の目を宿す。…猛々しい鬼……そして、その鬼は優しい。
「なぁ…海にいるあんたは…その……すごく綺麗だ……あんたに海は似合うと思ってたんだよ」
柄にも無く照れたような元親の言葉に、政宗が目を開いた。
「俺にあんたが似合いだって事か?」
いたずらそうに言う政宗の口許が緩んで、柔らかい笑みが浮いた。
「ああ……だから、俺に全部預けちまえよ」
元親の瞳の真剣。
「あんたが陸じゃ降ろせない荷物は……海にいる時は俺に預けちまえよ」
元親は自分の事をどれだけ知っているのだろう……政宗から元親に自分の傷を晒したのは、初めて裸で抱き合った時だけだった。家督を廻っての争いや、奥州を束ねる苦労などは話したことが無かった。
「あんたは天に昇る竜なんだろ?重荷は、少しは捨てたっていいんじゃねーか?」
優しい手は政宗の髪を梳いて、甘やかすように労わるように……。
「陸にいる俺は、あんたと対等とさえ言えねーかも知れねぇけど……海に出たら、俺に預けちまえよ、あんたを全部」
「……それはいつまでなんだ……」
元親の優しさが恐い。離れられないほど縋ってしまってから、もういらないと言われたら……。その思いが政宗に言わずもがなの事を言わせる。
「?いつまでって……いつまでもだよ」
元親の答えに政宗が起き上がった。
「いつまでもなんて、ねぇんだよ……俺の……」
立ち上がった政宗、元親に背を向けた。
「俺にずっとついて来たのは……小十郎だけだ……他の誰も、誰も俺とはずっといられねぇんだよ!」
自分の肩を抱きしめて、折れそうになる身を必死に立てる政宗の背中は小刻みに震えている。
「俺がどんなに、そいつと添い遂げたいと思っても、皆俺を離れてったんだよ!」
元親を拒むように向けた背中だったが、言葉以上に政宗の声は元親を呼んでいる。
「何でだよ……元親……あんたといると俺はみっともない事ばっかりしてやがる……」
降るような星の下。
政宗の背中は震えていた。
臆病な心を晒して、ただ震えていた。
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